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# 2025年8-9月号　No.881

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8-92025AugustSeptember特集１2025年度（第40回）経済同友会夏季セミナー「共助資本主義」で挑む経済社会「令和モデル」への転換No.881特集２共助資本主義の実現委員会能登半島地震支援イニシアティブ第２回のとマルチセクター・ダイアローグCLOSE-UP提言サービス産業活性化委員会接客サービス業を支える現場人材のスキルを可視化し、個人の能力開発と処遇改善を起点に好循環の実現を「私の一文字～次世代共創委員会委員長田中良和～」より

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私の一文字次世代共創委員会委員長田中良和グリーホールディングス取締役会長兼社長最高経営責任者何事にも「挑」む会員の方が思いを込めて選んだ一字に、書家の岡西佑奈さんが命を吹き込む「私の一文字」。今月は、田中良和次世代共創委員会委員長にご登場いただきました。岡西「挑」は「兆」の音と「てへん」が組み合わさり、前へ進む、仕掛けるという意になったといわれています。この文字を選ばれた思いをお聞かせください。田中私自身、会社を創業し経営しているわけですが、目標を持って挑んでいくことの連続です。私が経営するグリーグループも、創業以来、インターネットとエンターテインメントの未来を信じ、常に未知の領域に挑戦してきました。そうした背景から、この文字を選びました。岡西さまざまな困難もあったと思いますが、どのように乗り越えてこられたのでしょうか。田中設立当時は、会社を始めること自体が珍しく、大きな挑戦でした。ただ私の場合、成長期のベンチャー企業で仕事をしていたので、創業をかなり身近に感じられた環境が良かったと思っています。岡西創業しても誰もがうまくいくわけではないと思いますが、挑み続けてきた理由はどこにあるのでしょうか。田中やはり好きな仕事ができているのが一番の理由です。また、始めたからには責任が伴いますので、それを全うしなければならないとも思い続けてきました。岡西好きなことを仕事にすると、時にそれが苦しみになることはないでしょうか。田中そういう時期もありました。もともと「好きなことを仕事にするのが当たり前」と思い込んでいましたが、あるとき、「人がやりたくないことをやるからお金が儲かる、好きなことでお金を稼ぐのはすごく困難なこと」と人に言われ、当時、衝撃を受けると同時に納得したのを覚えています。以来、自分は難しいことに挑戦しているのだと捉え、困難は当然という気持ちで何事にも向かえるようになりました。岡西事業環境の変化はどう捉えていらっしゃいますか。田中事業フェーズごとに変化の必要性を痛感し続けています。変わりたくないと思うのが人の常ですが、リーダーとは時に皆が反対しても必要な方向に旗を振るのが仕事です。例えば、古代ローマ時代の将軍の話を聞いたことがあります。難しい戦いに打ち勝つために、楽だが敵に先手を取られる可能性のあるルートを取るか、脱落者が出る恐れがある雪山を越えて敵の意表をつくルートを取るか。究極の判断も誰かが責任を持たなくてはなりません。将軍は困難な雪山ルートを取り、相手の不意を突いて勝利しました。決断はどのような社会でも必要で、それを行うのが仕事だと思っています。岡西経済同友会では次世代共創委員会の委員長を務められていますが、今後の展望をお聞かせください。田中日本経済界の発展に貢献できればと思い、経済同友会に参加しています。発展には、若い経営者が増えていく環境が欠かせません。経済同友会の活動を積極的に発信し、若手経営者の参画につなげていきたいです。書家岡西佑奈1985年３月生まれ。23歳で書家として活動を始め、国内外受賞歴多数。022025/8・9keizaidoyu

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2025夏季セミナー2025年度（第40回）KEIZAIDOYU特集１2025年度（第40回）経済同友会夏季セミナー「共助資本主義」で挑む経済社会「令和モデル」への転換経済同友会は７月18～19日、第40回夏季セミナーを長野・軽井沢にて開催した。新浪剛史代表幹事をはじめ、副代表幹事、各委員会委員長などが参加し、７月20日に実施された参議院選挙における政策論点の分析・提言の場として、また、わが国が抱える構造的課題や地政学リスクへの対応、民主主義とメディア、地域共創といった多様なテーマについて、活発な議論を交わした。（所属・役職は開催時）基調講演（概要）新浪剛史代表幹事「令和モデル」を実現する理念「共助資本主義」と重要政策新浪代表幹事は冒頭、「『包摂的社会』にしていくことこそが、持続的かつ豊かな経済社会に結び付く。共助資本主義が目指すところは、中間層の底上げと拡大を資本主義の中で実現していくことではないか」と述べた。次に「令和モデル」への転換のために、①日本経済のレジリエンス強化②地政学的リスクの高まりに対応した外交・安全保障③「政治改革」の観点から重要政策を述べた。①については物価高への対応、人手不足への対応、経済のダイナミズムをつくる、国内投資の拡大、地方創生、社会保障改革、財政規律の維持の視点から、これまで経済同友会が提言してきた内容に加えて、特に、賃上げ、外国人材との共生社会の実現、財源の検討など新たな取り組みについての言及があった。②については、抑止力の強化、日米同盟、QUAD（日米豪印戦略対話）や韓国、フィリピンなどとの連携により、戦争を回避する抑止力向上を訴えた。さらに量子コンピューター開発のスピードを上げることが必要とし、経営者・企業が取るべき対応を研究していく機会をつくりたいと述べた。③については、参議院の活性化について言及した。これら政策課題は「各政党の政策を具体性、実現可能性などの観点から評価し、アカデミアとも連携して政策の比較・評価の精度を高めたい。政策提言に必要なファクト、データ、インテリジェンスを強化するとともに、メディアなど多様な分野の視点を政策議論に取り入れたい」と語り、経済同友会のシンクタンク機能の強化に言及した。経済同友会は、2026年に創立80周年を迎える。包摂的経済社会をどのように実現させていくか、提案と行動プランができるように、議論していきたい。INDEX第１セッション参議院選挙における政策議論全般..............04第２セッション参議院選挙における個別主要政策の争点個別主要課題①：物価高対策としての消費税減税と社会保障改革....06個別主要課題②：食糧・農業分野における構造的課題..............07第３セッション外国人との共生社会～人口１割時代に向けて～...09第４セッション情報の信頼性と民主主義におけるメディアの役割....11第５セッション地政学リスクを乗り越える外交・安全保障政策....13第６セッション地域が稼ぐ時代へ：令和の地域共創...........15第７セッション共助資本主義―挑戦と包摂が両立した社会の実現...172025/8・9keizaidoyu03

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第１セッション参議院選挙における政策議論全般参議院選挙における各党の政策について、経済同友会の比較・評価の取り組みを踏まえ、国家像・将来ビジョン、取り組む課題の優先順位付けなどの観点から総合的に議論した。モデレーターパネリスト新浪剛史松江英夫新芝宏之野田由美子代表幹事サントリーホールディングス取締役会長統合政策委員会／シンクタンク機能検討PT／経済・財政・金融・社会保障委員会各委員長デロイトトーマツグループ執行役政治・行政改革委員会委員長岡三証券グループ取締役社長地域共創委員会委員長ヴェオリア・ジャパン取締役会長パネルディスカッション登壇者の発言抜粋要旨経済同友会の取り組み各党との「PIVOT」対談を配信松江経済同友会ではシンクタンク機能の一環として、①経営者アンケート②各党代表者との政策対談③各党の政策評価を実施した。経営者アンケートは短期間で200人超の会員から回答を得た。石破政権の評価については回答者の約６割が支持を示したが、世論調査では支持率が２～３割かいり台とされ大きな乖離が見られる。争点とすべき政策では「国家ビジョン」「財政健全化」「社会保障改革」「外交・安全保障」が上位に選ばれ、中長期的な政策テーマを重視する経営者の意識が表れている。各党代表者との政策対談は新浪代表幹事がキャスターとなり、各党の政策責任者と個別で対談を行った。この様子はビジネス映像メディア「PIVOT」で配信され、視聴者からも大きな反響があった。経営者が何を考え、政治とどう向き合おうとしているのかが伝わったと考える。各党の政策評価は①短期・中長期の整合性②実現可能性③経済同友会提言との合致性を軸に、政治的中立性を保つため点数や記号評価は行わず、定性的な記述による評価としている。評価からは、国家ビジョンの方法論が不明確であること、財源の裏付けが不十分であること、構造改革への踏み込みが不足していることなど三つの共通課題が見えてきた。本来深く議論されるべき課題である。若者世代の意識のギャップを謙虚に直視すべき野田われわれ経営者は国家ビジョンや財政健全化、外交・安全保障などの中長期的政策課題に関心を持っているが、昨今若者から支持を得ている政党は目先の経済的不安に対応する政策を掲げており、この乖離について謙虚に直視する必要がある。また、今回の参院選では環境や気候変動が争点としてほとんど扱われていないが、将来的にこれらの問題に対する影響を最も受ける若者が当事者として声を上げ、社会変革を促す必要がある。日本の若者の気候変動への関心は欧州に比べて低く、議論も少ないが、最も影響を受けるのは彼らであり、同時に社会を変えられる力を持つ。地球人口100億の時代を見据え、持続可能な社会のビジョンを真剣に検討すべき時であり、政治も原発再稼働などにとどまらず、気候危機の根本的解決に向けた包括的な議論を展開することが求められるのではないか。メディアや経済界の役割を果たす新芝国家ビジョンが求められている今、政治は目先の課題に追われ、本質的な問題に向き合えていない。今回の選挙では、政治の不安定化や衆愚的傾向が強まる懸念がある。この状況を健全な方向に修正するには、国民一人ひとりが正しい政策判断を下せるよう、メディアや経済界が導く必要がある。政治への不信と無力感が広がる中で、一部の政党が変革への期待を集めているが、その熱狂が社会を本当に良い方向に導くのか、冷静な検証が求められる。参議院の存在意義についても、「良識の府」としての本来の役割を取り戻す改革に踏み出すべきである。日本社会に進行する三つの分断リスク松江現在の日本社会では、包摂的な経済社会の実現とは逆行する三つの分断リスクが進行している。所得格差による経済的分断、世代間の分断、政策の時間軸における分断で、短期のばらまき的対応と中長期の制度設計が接続され042025/8・9keizaidoyu

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2025特集１2025年度（第40回）経済同友会夏季セミナーておらず、責任ある改革が先送りされている。とりわけ財源議論の回避やSNS・メディアの影響による政策論争の短期化が加速している。分断に正面から向き合い、中長期的視点を取り戻す政治姿勢が求められる。ばらまき的な政策と国民の受け止め方のギャップをどのように考えるか新浪給付金などのばらまき的な政策に対しては国民の賛同が少ない印象がある。国民の受け止め方との間には一種のギャップが存在しているのではないか。松江一時的な支援策は短期的には歓迎されるが、継続性がない政策が繰り返されることで不信感や不安が増す可能性がある。また、消費税の減税などは短期的な家計支援になるものの、財源減少により将来世代への負担増や制度の持続性についての懸念を残す。国民は施策の中長期的な影響や財政の持続性、制度設計の妥当性をも評価しようとするのではないか。ばらまきに対する冷ややかな反応の背景には、こうした冷静な視点が存在していると考えられる。新芝給付金や減税が切実に求められている層でさえ、強く賛同しない背景には、政治に対する深い不信と諦念があり、「どうせ何も変わらない」という感情が支援政策への支持を妨げている。新興政党の台頭はこうした信頼の断絶に入り込み、ストレートなメッセージで代替的な期待を提示しているからこそ支持を得ている。新興政党は今後の発信や活動を見極める必要がある。野田一時的な給付では将来の不安を解消し得ないことを国民は直感的に理解している。消費税減税や食料品の軽減税率への支持が根強い背景には、エンゲル係数の上昇や生活コストの高騰といった構造的問題に対する深刻な不安がある。国民が安心して生活できる持続的な経済社会の仕組みと、その道筋が求められている。発言の非対称性と分断社会における合意形成をどう考えるか新浪政権与党は実行責任を伴うため慎重な発言が求められ、野党や政権外の政党は制約がなく、聞こえの良い主張を自由に掲げられる。このような責任の非対称性が政治の現場にある。価値観が多様化し共通基盤の形成が難しい社会では、コンセンサス形成の幅が狭まり、連立政権が増えている。だからこそ、論点を明確に示せるリーダーシップや新たな合意形成の枠組みが求められている。野田発言における責任の非対称性は確かに存在するものの、多くの国民、特に若者が政治に関心を持ち、声を上げたことは重要である。民主主義の根幹は、自らの問題意識を社会に反映しようとする姿勢であり、ファクトチェックの浸透もあり、事実に基づく政策論争が求められる時代になってきた。日本では少子高齢化という構造的課題があり、戦後モデルの再設計が必要な転換点にある。とりわけ東京一極集中や安全保障環境の変化を考慮し、中央集権制度の見直しが急務である。政党の枠を超え、世代や立場を超えた議論が必要であり、国の未来に危機感を持ち、制度と政策を抜本的に再構築する時機である。松江今こそ政党政治そのものをリフレームすべき時期だと捉えている。各党の政策評価を通じ、地方分権やエネルギー、社会保障など、与野党を超えて共通の問題意識や方向性が見られた。もはや与党vs野党の対立構図は現実に合っておらず、むしろ政党内のばらつきの方が顕著である。こうした状況は、政策を基軸とした政党再編の必要性を示している。現行の選挙制度は30〜40年前に設計されたものであり、時代にそぐわない構造的矛盾を抱えている。例えば、１人区での候補者調整によって保守票が分断されるなど、制度上の問題も明白だ。また、既成政党が広範に政策を展開する一方、新興政党は特定の課題に絞って訴求しており、従来の枠組みでは説明が難しい。政党の枠を超えて政策ごとに連携するアジェンダ連立のような新たな政治モデルも検討すべきである。まんポピュリズムの蔓延と危機意識の欠如がもたらす「カオス」とどう向き合うか新浪日本の政治は耳当たりの良い政策ばかりが支持される傾向にあり、財政規律の喪失や衆愚政治が懸念される。国際情勢は厳しく、喫緊の課題に即応すべきにもかかわらず、“SenseofUrgency（危機意識）”が著しく欠けているように見える。こうした構造的課題にどう向き合い、政治の枠組みを見直していくべきか。また、現在の「カオス」な状況は新秩序の胎動か、それとも崩壊の過程なのか。新芝意思決定が不可欠な時代であり、平成の政治改革によりトップダウン型の統治が導入されたが、近年はその効果が弱まりつつある。一方で、多様な意見を取り込み過ぎた結果、ばらまき的な政策が増えていることに懸念を抱く。企業経営と同様に、明確なリーダーシップとそれを監視・検証する野党やメディアの役割が両立することが重要である。制度が形骸化してもガバナンスが機能すれば、ポピュリズムへの傾斜に歯止めをかけることが可能だと考える。野田米欧と同様に日本でも格差拡大と中間層の衰退が進行しており、グローバル化の負の影響が顕在化している。こうした中で、自らの生活に危機感を持った若者が政治に関心を持ち始めたということがあるだろう。こうした政治参加の動きが、正しい情報と政策議論に基づいて成熟していくことが望まれる。また、政党が政策課題ごとに連携するアプローチは理にかなっているが、それに伴い財政規律が緩むリスクもある。そのため、財政の持続可能性を客観的に評価する独立財政機関の設置は不可欠だと考える。2025/8・9keizaidoyu05

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第１２セッション参議院選挙における個別主要政策の争点選挙戦における個別主要課題の争点に対応する各党の政策について、具体性や政策としての総合性・整合性、実現可能性の観点から議論した。個別主要課題①：物価高対策としての消費税減税と社会保障改革モデレーターパネリスト松江英夫統合政策委員会／シンクタンク機能検討PT／経済・財政・金融・社会保障委員会各委員長デロイトトーマツグループ執行役岩﨑真人経済・財政・金融・社会保障委員会委員長IGPIグループシニア・エグゼクティブ・フェロー栗原美津枝幹事価値総合研究所取締役会長パネルディスカッション登壇者の発言要旨物価高対策の王道は持続的な賃上げと構造改革による成長経済も財政もサスティナビリティが重要栗原物価高対策の王道は、持続的な賃上げと構造的施策による将来の経済成長と税収増だ。短期的な減税や給付金は、成長戦略が伴わないとむしろ将来世代の負担が増す副作用の方が大きい。経済の潮目が変わりつつあるときに、財政悪化懸念から特に日本の金利が上昇していることも懸念している。社会保障については、現役世代の社会保険料負担の軽減が必要である一方、国民生活を考えた基礎年金の引き上げも必要ではないか。給付と負担のあり方、保険料80兆円と国税・地方税55兆円からなる財源のあり方を、全体で考えないといけない。経済も財政も持続可能性が重要だ。医療費適正化と医療・介護の成長産業化の取り組みを岩﨑現在の医療制度は高品質の「ロールスロイス」型だが、そこまで高品質ではない「プリウス」型でもいいのではないか。セーフティネットとしての公的保険の再定義が必要である。なぜ公的保険が適用されているのか分からない医療もたくさんある。本会の活動を契機に設立された一般社団法人EVIDENCESTUDIOがローバリューケアに関する研究を進めており、効果が低い医療を約50件リストアップしている。また、５種類に分かれて複雑な医療保険制度をシンプルにして、国民が給付と負担の関係を理解できるようにすることも必要である。さらには、医療・介護を「コスト」ではなく「アセット」と捉え産業にしていく視点が重要である。50兆円の公的保険市場に加えて、公的保険制度を支えるためにも50兆円の公的保険外市場をつくる。すぐに着手できる領域は医療ツーリズム、再生医療、予防・健康づくりの三つである。●グループディスカッション経済成長を通じた社会保障制度の立て直しを社会保障給付を減らすという議論もあるが、経済成長によってパイを大きくすることを考えないといけない。外部の目を入れることによって、効果が高い施策に投資するフレームワークに変える必要がある。さまざまなセクターが連携し、分断を起こさずに議論していくことも重要である。尊厳死や高齢者医療負担のあり方に関する議論が不可欠情報リテラシーの差が広がっている。流れてくる情報を信じて財務省を批判する大規模なデモもあったが、各省庁はマーケティングを行う体制をつくって対応しなければならない。社会保障改革については、尊厳死や高齢者医療負担のあり方に関する議論は避けて通れない。経営者やマス062025/8・9keizaidoyu

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2025特集１2025年度（第40回）経済同友会夏季セミナーコミはこれらの課題と向き合って答えを出さないといけない。消費税減税に対する世論と経営者の考え方のギャップ消費税減税に対する世論と経営者の考え方のギャップには三つの変数があるのではないか。一つ目は実質所得の低下やジニ係数の上昇、二つ目は既得権の影響で必要な方に予算が適切に配分されていないこと、三つ目は財政の中での消費税の位置付けに関する認識である。デフレ脱却の鍵は人材流動化と規制改革を通じた賃上げ物価高は厳しいが、賃上げを通じてデフレマインドには絶対に戻らないようにしないといけない。人手不足を好機と捉え、高い賃金を払える会社への人材の流動化を促すべきだ。そのためには、規制緩和を通じて国内投資を促すことが必要である。スクラップアンドビルドで医療費の適正化を物価高の中、景気を刺激する減税を行うことは政策的におかしい。対策としては賃上げが重要だ。例えば従業員に対する食事補助について、国が上限額（月額3,500円）を見直すだけでもサラリーマンの所得の増加を実感できるのではないか。医療については、新薬を保険収載する際には不要な薬を外すなど、エビデンスに基づいてスクラップアンドビルドを行う仕組み、介護については、各自治体が実施しているフレイル予防について統一的にPDCAを回す仕組みが必要である。個別主要課題②：食糧・農業分野における構造的課題モデレーターパネリスト山田メユミ髙島宏平吉田直樹菊地唯夫規制改革委員会副委員長アイスタイル取締役統合政策委員会／農業改革PT／共助資本主義の実現委員会各委員長オイシックス・ラ・大地取締役社長農業改革PT委員パン•パシフィック•インターナショナルホールディングス取締役社長CEO副代表幹事サービス産業活性化委員会委員長農業改革PT委員ロイヤルホールディングス取締役会長パネルディスカッション登壇者の発言要旨農業改革PTにおける政策提言の土台となる論点を提示山田2024年夏以降、小売店でのコメ不足が表面化し、店頭でコメが手に入らない状況が現実に起きた。消費者、とりわけ子育て世帯にとっては深刻な体験であり、価格高騰も不安を増幅させた。令和のコメ騒動の直接の原因は異常気象による不作だが、根底には長年続いた減反政策や複雑な流通システム、農業従事者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地の拡大といった、農業の構造的な問題が横たわっている。各党の公約をAIで分析したテキストマイニング結果では「所得補償」「大規模化」「農地集約」「備蓄米」といった言葉が多く見られたが、流通構造の改革や農協制度、財源確保の具体論に触れている政党は限られていた。本セッションは登壇者である外食・流通業界の経営者が食や農業に直面する課題を共有し、６月に設置された農業改革PTにおける政策提言の土台となる論点を提示することが目的である。家計への影響とインフレへの実感吉田年で平均30％程度上昇してかいりおり、一般に言われる２～３％の物価上昇率とは乖離している。特に、子育て世帯などでは食費を削ることが難しいため、生活圧迫感が著しい。年収400万～800万円の中間所得層のエンゲル係数も上昇傾向で、可処分所得の減少と実感インフレが顕在化している。コメ価格の急騰はその象徴的存在で、日常的に購入するには高過ぎる価格であり、多くの消費者にとって「手の届かないコメ」となっている。消費者行動の変化と流通への影響吉田～24年にかけて、コンビニエンスストアのシェアが低下した。これは「お弁当は買うがドリンクは買わない」という消費者行動の変化を示している。消費者の購買行動の変化は食品流通や価格形成に大きな影響2025/8・9keizaidoyu07

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を与えており、農業政策や食料供給を議論する際にも、こうした実態を踏まえる必要がある。さらに将来を見据えると、50年には世界的にタンパク質の供給が不足すると予測されており、鶏や豚、魚といった動物性タンパク源への依存が高まる中、日本の農業構造をどう再構築するかが重要な論点となる。外食企業が直面したコメ供給危機菊地ロイヤルグループ全体で年間約4,000トンのコメを使用するが、業態ごとに異なる調達ルートを構築している。24年の価格高騰時には、特にJA・全農系のルートで供給が滞り、深刻な影響が出た。「てんや」ではコメ価格が20kg当たり5,000円程度だったが、24年２月に一気に上昇して異常な高騰を示した。新米の流通量が伸びて一時的に価格は落ち着いたが、24年６月以降再び上昇しており、今後の気象状況次第で25年産米も再び高騰する懸念がある。一部企業では価格上昇への対応策として、そばなどの代替メニュー開発、輸入米への切り替え、多収穫米の導入、政府による備蓄米の買い取り提案などを検討し、実施している。「農業政策の抜本改革」への論点提示菊地若手の農業経営者と意見交換を実施したところ、彼らは今後の農業を考える上で「コメに頼らない農業経営」や「事前の米価変動対策」が必要と述べた。また、農地集約化の促進や農業経営体の法人化、設備投資促進のための金融改革が不可欠との指摘もあった。現在の農地制度では補助金の多くが「守る農業」を対象としており、「成長する農業」への支援が手薄で、兼業農家と意欲的な農業法人を分けた戦略設計が必要との見解だ。「政策対象を誰にするか」「支援をどう選別するか」が最大の課題であり、農業政策における戦略的めりはりが求められている。「担い手不足」ではなく「農家過多」が問題髙島担い手不足という言説は誤解であり、米豪に比べて日本の農家数は多過ぎるのが実態だ。小規模農家が農業者の大多数を占め、単位面積当たりの収量や生産性も低い。稲作の損益分岐点は10ヘクタール程度が目安であり、0.5～１ヘクタール規模の農家が多数を占める現状では、効率的な農業経営は困難である。主たる収入が農業という主業農家と農業以外の収入が過半を占める兼業農家との二極化が進んでおり、兼業農家が割を生産している。彼らの票田としての政治的存在感が大きいため、稲作に関する改革は進みにくいという現状がある。農業政策は数十万規模の兼業農家を温存する方向から、少数精鋭の主業農家へ支援を集中する方向へ転換すべきだ。●フロアとの質疑応答農地バンク制度と流動化の障壁農地中間管理機構（農地バンク）制度や人・農地プランなど、農地の流動化のための仕組みは整備されているが、十分機能していない。高齢の農家が「農地を手放さない方が合理的」と考える背景には、わずかでも耕作していれば補助金が得られることに加え、宅地などに転用されれば大きな売却益が得られることへの期待がある。対策としては、耕作放棄地への課税強化による農地保有コストの引き上げなどインセンティブ設計の見直しに加え、農地バンクの権限強化が必要だ。農業委員会、農地バンク、市町村が三重構造で関与するため制度が複雑化しており、国主導で農地集約を進める必要がある。過去の農業改革とその限界大に伴ってJAとの関係性も変化し、自然と組織もスリム化していく流れが理想だった。現状は改革を阻害する構造的課題を含んでおり、再設計が必要である。今後の改革方針と決意表明これまでの農業政策は小規模農家の投票に支えられている政党を中心とする政治構造の中で進められてきたが、新たに改革派の大臣が登場したことで、改革のチャンスが到来している。この改革の窓が開いている時間は短いと思われるため、猶予はない。本会農業改革PTとしては、あまり論点を拡散せず、的を絞った議論・対応を迅速に進めたい。まずは特に農地の集約に重点を置いて検討を進めていく。その際には、改革は放置すれば必ず後退するという問題意識を共有し、実効性のある政策提言を目指す。第２次安倍政権下で農業改革の中核を担い、減反政策廃止や農地中間管理機構の制度化を主導したが、実質的な改革は進まずにいる。飼料米への補助金制度も３年の時限措置のはずが継続され、改革の原則が崩れた。JA改革では組織自体を直接変えようとしたことで抵抗が強まり、結果的に前進しなかった。本来は生産側の規模拡082025/8・9keizaidoyu

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第１３セッション外国人との共生社会～人口１割時代に向けて～人口減少社会において、経済・社会の持続性の観点から外国人の活躍は不可欠である。「外国人との共生社会」実現に向けて、各ステークホルダーの視点から言語・文化の違いや人権問題、労働・生活環境の整備などの幅広い課題と方策を議論した。モデレーターパネリスト寺田航平菊地唯夫鈴木康友是川夕田代桂子副代表幹事中堅・中小企業活性化委員会委員長寺田倉庫取締役社長副代表幹事サービス産業活性化委員会委員長外国人材の活躍促進PT委員ロイヤルホールディングス取締役会長静岡県知事国立社会保障・人口問題研究所国際関係部長博士（社会学）副代表幹事社会のDEI推進委員会委員長大和証券グループ本社取締役兼執行役副社長パネルディスカッション登壇者の発言抜粋要旨「日本が外国人に選ばれる国」となるために寺田エッセンシャルワーカー領域では、すでに外国人の存在が不可欠となっている。国の制度設計や世論形成においては、必ずしも共生の方向と一致しない動きや感情的な反発が目立つ場面もある。本セッションでは「日本が外国人に選ばれる国」となるために、①国・自治体・企業の役割分担②働く環境の整備③生活環境の支援体制といった観点から、具体的な課題と展望について議論したい。共生社会実現に向けた制度設計と企業の責任菊地経済同友会の「外国人材の活躍促進PT」では「共生社会の構築」に向けた提言をまとめた。外国人の受け入れについては治安や社会保障に対する懸念が根強く存在するが、これは事実に基づかない議論である。外国人比率が10％を超える社会が到来することを見据え、支援体制を構築する必要があり、ファクトベースの議論が不可欠である。国・自治体・企業それぞれが役割を再定義し、制度面・生活面の両面で支援体制を構築する必要がある。共生社会の定義を「相互尊重」「包摂的支援」「安全の確保」とし、教育プログラムや司令塔組織の設置、外国人材の活躍促進基本法の制定などが求められる。日本は外国人に選ばれなくなるのか？今後の課題は？データで見る「外国人イコール治安悪化」の誤解是川政治的な誤認識により、これまでの積み重ねた制度や実績が後退する懸念を抱いている。政策は感情論ではなく、実証的かつ戦略的に設計されるべきである。「日本は外国人に選ばれなくなるのか」という問いには、むしろアジアの中間層を中心に流入が拡大しており、人的交流を通じた経済再生のチャンスと捉えるべきだ。また、「日本は移民政策を取ってこなかった」という主張は事実に反しており、国際人権規約の批准や在留制度の整備を通じて、明確に労働移民政策を進めてきた。今後は貿易・金融と同様に、移民政策も国家戦略としての制度設計が求められる。1994年以降、在留外国人は約３倍に増えたが、刑法犯の検挙人員は2005年をピークに３分の１に減少している。犯罪率も年齢構成を補正すれば日本人とほぼ変わらない水準だ。「外国人が治安上のリスク」という主張には根拠がない。現場から見る多文化共生の実態実態に即した共生社会の制度設計を鈴木浜松市長、静岡県知事として長年、共生社会の現場に携わってきた経験から言えば、日本はすでに「実質的な移民社会」に移行している。浜松では７割以上の外国人住民が永住・定住資格を持ち、地域に根付いて生活している。「不就学ゼロ作戦」や「多文化共生センター」など先進的な取り組みを実施してきた。今後は育成就労制度や特定技能制度の拡大により全国各地で定住が進む時代が到来する。「多文化共生基本法」や「外国人庁」の創設など、国家としての方針を明確に打ち出すべきであり、現場と制度のねじれを早急に是正すべきと強く感じている。経験から強調したいのは、日本の外国人政策は「労働力として受け入れるが、移民とは認めない」という矛盾を抱2025/8・9keizaidoyu09

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特集１2025年度（第40回）経済同友会夏季セミナーえており、この曖昧さが制度設計の遅れを招いているということだ。浜松市や埼玉県川口市では外国人の犯罪率が低かいりいにもかかわらず、報道などによるイメージが事実と乖離している。冷静なデータに基づく議論が必要である。制度づくりにおいては、外国人を単なる労働者ではなく「生活者」として位置付ける視点が不可欠である。ドイツの移民国家への政策転換は大きな示唆を与える。排除や規制を先行させるのではなく、まず統合の基本方針を明示し、共生を地域と国家の成長戦略として捉える必要がある。外国人との共生とDEIの視点とは同じ構造を持つ田代推進委員会では主にジェンダーをテーマとしてきたが、外国人との共生も同様の構造を持っていて、今後の重要課題であると考える。職場に入っても外国人は意思決定の場に参画できていない現状があり、真の多様性にはその関与が不可欠である。私自身も海外赴任の経験があり、外国人の立場で暮らすことの難しさを実感してきた。言語、教育、税務、医療などの課題は外国人が直面している問題そのものである。浜松市や静岡県が実施している支援策はわれわれが海外で受けた支援と同質であり、日本にはすでに共生の基盤が整っていると考える。ナショナルミニマムの水準を国が明示菊地浜松市の「不就学ゼロ」など先進的な取り組みには感銘を受けているが、それが自治体の規模や財政力によって左右される現状には課題がある。共生社会の前提として、「ナショナルミニマム」の水準を国が明確に示すことが不可欠である。その上で、各自治体が地域事情に応じて施策を展開するという構造が望ましい。「外国人基本法」の意義は単に受け入れ数を定めるのではなく、外国人を労働力ではなく共に支え合う生活者として位置付ける社会的視点が必要とされている。基本的人権の保障と制度的支援を明確に区別する是川2018年以降、政府もようやく「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」の整備に本格的に取り組み始めた。国際的には「統合政策の初期段階」として評価されつつある。共生社会に向けた制度設計を進める上で極めて重要なのが、基本的人権の保障と制度的支援を明確に区別する二層構造の認識である。人権保障は国籍に関係なく全ての人に等しく認められるべきであり、日本も国際人権規約の締約国として、この原則を実効的に担保する体制整備が不可欠である。例えば、「外国人に義務教育は必要か」といった発言は人権保障に対する無理解の象徴とも言える。さらに、在留資格の制限が生活権や労働権といった社会的権利を実質的に奪う構造にもつながっており、極めて慎重な対応が求められる。まずこの二層構造の理解こそが制度設計の出発点である。外国人を「仲間」として迎え入れる企業の覚悟菊地自社では従業員の約９％が外国人で、特定技能１号による採用が急増している。外国人メンバーを含む「グローバルサポートチーム」を立ち上げ、生活支援を内製化している。登録支援機関資格も取得し、日常生活支援も実施している。労働力としてだけでなく「成長を支える仲間」として外国人を受け入れる覚悟が企業には必要だと感じている。意思決定層への登用には、企業が段階的なキャリアパスを用意する必要がある。当社では特定技能から２号、さらに永住・管理職まで視野に入れた構造を整備中だ。田代金融機関として外国人が常駐する場面は多くはないが、来日時の文化研修や家族の教育支援を行っている。特に教育環境が不十分なために帰国するケースもあり、制度的サポートが必要だ。キャリアパスや意思決定層への制度的取り組みは現時点で企業に浸透しておらず今後の課題だ。自治体間の温度差を乗り越える横展開と制度化の重要性鈴木外国人との共生施策は実行段階では市町レベルでの実施に委ねられるため、自治体間の温度差が避けられない。静岡県では全市町が参加する「行政経営研究会」で「多文化共生」を主要テーマに掲げ、先進事例の横展開を進めている。また企業支援の取り組みとしては、浜松市が導入した「外国人材活躍宣言事業所」の制度が有効で、外国人向けの教育やキャリア支援に取り組む企業に対して調達優遇などのインセンティブを与える仕組みが企業の意識変革を促している。全国へ展開し、標準化することが今後の課題と考えている。「高度外国人材」定着への取り組みとして、地元経済同友会が「外国人材定着サポート有限責任事業組合」を立ち上げ、理工系留学生を中小企業に採用・定着させる取り組みも成果を上げている。企業側にも不安はあったが、実際に雇用した外国人材は優秀で、組織文化への好影響も確認されている。外国人労働の制度的変化と制度への影響是川2000年代以降は就労ビザや特定技能制度を通じ、企業の内部労働市場への定着が進んでいる。現在は中間管理職として働く外国人も増え、教育・キャリア支援制度の整備が喫緊の課題である。年金制度でも、外国人が脱退しても企業負担分は国庫に残るため、制度としてはプラスになる。「外国人の加入が負担」という認識は誤解である。また、公的医療保険の使用額は日本人の約３分の１にとどまり、保険料収入を上回る利用は確認されていない。医療費の負担になっているという主張は統計的根拠を欠く。102025/8・9keizaidoyu

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第１４セッション情報の信頼性と民主主義におけるメディアの役割フェイクニュースやポピュリズムの拡大により、社会の分断や民主主義の後退が懸念される中、健全な世論形成に必要な情報の信頼性とメディアの役割について、メディア倫理やSNS時代の選挙と報道などの観点から議論した。モデレーターパネリスト林礼子岩井睦雄宮澤弦山本龍彦哲学者との対話PT委員長BofA証券取締役副社長筆頭副代表幹事統合政策委員会担当副代表幹事哲学者との対話PT委員長日本たばこ産業取締役会長企業のDX推進委員会／韓国委員会各委員長LINEヤフー上級執行役員慶應義塾大学大学院法務研究科教授パネルディスカッション登壇者の発言抜粋要旨アテンションエコノミーが情報空間を変質させている最終的には「人間とは何か」という哲学的な問いに帰着林「哲学者との対話PT」の一環として、ポピュリズムの台頭や社会の分断、民主主義の後退といった状況を踏まえ、情報の信頼性やメディアの役割、メディア倫理、SNS時代の選挙と報道のあり方について議論を行う。政治・メディア・市民社会の関係性が大きく揺らいでいる。SNSの普及により誰もが情報を発信できる時代となり、注目が収益を生む「アテンションエコノミー」が情報空間を急激に変質させている。その結果、必ずしもファクトに基づかない情報が社会で大きな影響力を持つようになった。民主主義諸国の政治は「切り抜き文化」に迎合する時代となったのではないか。加えて、フィルターバブルやエコーチェンバーによって、人々は自身の関心に沿う情報のみに囲まれ、自分と異なる意見についての想像力を失いつつある。これは人類史上初めて直面する状況ではないか。今後、どのような社会や民主主義が形成されていくのか。最終的には「人間とは何か」という哲学的な問いに帰着する。「自由の狭い回廊」を歩むことは可能か岩井情報技術の革新が民主主義の基盤を揺るがしている。ユヴァル・ノア・ハラリが著書『ネクサス』で指摘したように、情報は真実を伝える手段にとどまらず、秩序や権力の形成につながるという側面がある。歴史を振り返ると、中世の欧州では当時発明された印刷技術で出版された本で広く魔女狩りが煽動され、現代のミャンマーではSNSのアルゴリズムが少数民族の迫害を助長した。いずれの例も、人間は真実を知りたいわけではなく、人とつながったムーブメント、感情によって動くことを示唆している。日本では、2024年６月の東京都知事選における「石丸現象」、同年11月兵庫県知事選において、既存メディアへの信頼の低下、その反面としてSNSや選挙関連動画への関心の高さがうかがえた。やや古いデータとなるが、2022年の「エデルマン・トラストバロメーター」では、政府やメディア、企業に対する国民の信頼度は50％を下回っており、特に若年層にこの傾向が顕著である。冷戦終結後、西洋の普遍的価値の勝利が喧伝されたが、その後は新自由主義的な圧力と技術の急激な進展の狭間で言論空間が変質してきた。ダロン・アセモグルとジェイムズ・A・ロビンソンの言う「デジタル専制主義」と「アナーキー」の間にある「自由の狭い回廊」を、日本を含めた世界が歩んでいくことの可否が問われている。その一方で、オードリー・タンのように、技術革新によって共存の度合いと多様性の限界を広げ、民主主義を進化させるための道を模索する人もいる。自由と民主主義を守っていくための既存メディアやプラットフォーマーの役割、法的・公的なルール、個人のリテラシーと合わせて、私たちの所属する企業の役割についても議論したい。情報環境の変容と民主主義の危機にどう向き合うか「情報的な健康」がデジタル時代に重要山本アテンションエコノミーとは、インターネットの普及による情報過多な世界では、私たちに供給される情報量けん2025/8・9keizaidoyu11

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特集１2025年度（第40回）経済同友会夏季セミナーに対し、私たちが払う「アテンション（関心）」や消費時間が希少になるため、これが交換財として経済的価値を持って取引される、という経済モデルである。確かに私たちは有限のアテンションや時間を「支払って」SNSを利用しており、ある意味これらは通貨の意味を持つといえる。アテンションエコノミーには「無料」でサービスを利用できる「功」の部分と、ユーザーが最も反射する「刺激的な」ものが選択的にレコメンドされるという「罪」の部分がある。ダニエル・カーネマンによれば、人間の思考の中で「システ（直感的・反射的）」が集中的に刺激されると、冷静な」は十分に働かない。はちゅう認知神経科学者の下條信輔の言葉では、「“爬虫類の脳”といわれているようなところに特化して刺激が与えられ、それに反応する」という説明となる。「ショート動画」は最もアテンションを得られるユーザー体験であり、例えば子ども向けの教育番組はショート系動画を重ね合わせて作られている。私たちの思考は子どもではなく、実は爬虫類にまで退行している可能性がある。アテンションエコノミーに支配された空間ではより刺激的な情報が注目を集めるため、既存の報道機関は構造的に不利な立場に置かれる。民主主義は衰退の一歩をたどることになる。また、個人としても常に刺激と反射という空間に置かれることになり、尊厳が脅かされる。この対策として情報を削除するという「引き算」が検討されることになるが、これは「表現の自由」を踏まえれば限界があるし、そもそも構造から変えないとらちが明かない。もし、選挙期間中に情報を削除すれば、かえって炎上する恐れもある。必要なのは、情報リテラシーを基軸とした情報空間（エコシステム）の根本的な変容だ。「情報的な健康」がデジタル時代に重要であると考える。今の時代はレコメンドにより、情報の「偏食」や「暴飲暴食」を強いられているともいえる。安全なものをバランス良く提供できる存在を評価し、安全性を確かめて情報を「食べる」ようにできることが大切になる。こうした意識が広がれば、良質な情報発信者やプラットフォーマーを市場で適切に評価する構造を作り上げることになる。また、広告主としての企業の役割が重要になる。「情報的健康」に配慮しないプラットフォームや発信者に経済的利益を与える責任が問われる。良質なコンテンツのスポンサーになる企業が評価される市場をつくらなくてはならない。例えば、SDGsマークのような「情報的健康」マークを推進していくことが考えられる。企業も含めた情報空間の再構築が急ぎ求められている。発信者の自由と収益構造が制御困難な状況を招く宮澤サービスの多くは海外資本の会社であり、30年来続く広告で収益を上げる仕組みでの「勝ち組」である。多くのユーザーの注目を集めるための技術開発に投資が行われてきた。当社はインターネット上で個人や報道機関の執筆した記事を届ける「新聞少年」の役割に徹してきた。一方、当社以外のプラットフォーマーは初期のユーチューブのモットー“Broadcastyourself”に代表されるように、「個人の発信力」の素晴らしさを届ける価値を優先してきた。仮に問題が起きた場合でも、技術的な解決やSNS内コミュニティによる自治で乗り切ろうとする傾向がある。生成AIの発展により問題は複雑化しているが、これも基本的にはAIで制御する方向で考えている。ただ、実際にはAIの登場で混乱に拍車をかけており、世界中で解のない状態が続いている。発信者の自由に任せるプラットフォーマーの構造は制御が極めて困難である。情報の規律や透明性の担保を担うのは国家か民間の自己制御に委ねるべきか林SNS、メディアと一くくりで考えられがちだが、プラットフォーマーによって構造や価値観に違いがあることを理解した。誰が情報の規律や透明性の担保を担うべきか。国家の関与を強めるべきか、民間の自己制御に委ねるべきか。社会全体で関与すべき課題企業は広告主として関与を山本政府・企業・市民を含め社会全体が関与すべきということに尽きる。市民にはSNSが無料で使えるからくりや、アテンションエコノミーの構造を理解する情報リテラシーの向上が不可欠である。プラットフォーマーのレコメンドアルゴリズムの透明性確保も必要だ。取得データの一部を研究者に開放し、EUのように外部の解析機関による検証を進める仕組みを検討すべきである。これらはプラットフォーマーが進んで対応できる内容ではないので、政府が一定の規律を課す必要はある。この透明性を受けて広告主である企業の関与がなければ、実効性は伴わない。技術の進展と発信者の自由が摩擦を生む岩井メディアは従来型のマスを対象とするものではなく、技術の進展により個人に細分化して発信をすることが可能となり、結果としてエコーチェンバーや依存性の問題を顕在化させている。やっていること自体は昔から変わらないものの、影響の範囲と深さが段違いになった。プラットフォーマーが「発信者の自由」を重視する姿勢は社会の規範と摩擦を生みやすい。自由は憲法の枠組みによって保障されるべきであるが、技術が規範を突き抜ける状況に対して、法や社会の側はどう対応すべきかが問われている。122025/8・9keizaidoyu

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第１5セッション地政学リスクを乗り越える外交・安全保障政策米国の政策などがもたらす不確実性への対応として、今後の目指すべき通商の枠組み、またエネルギーや食料の自給率向上、自国を守る自立性の確立と東アジアの安定に向けた連携強化など、総合的な安全保障の強化について議論した。モデレーターパネリスト江藤名保子三毛兼承池田潤一郎南部智一川井大介地経学研究所上席研究員中国グループ・グループ長学習院大学法学部教授副代表幹事国際交流・対話促進事業担当三菱UFJフィナンシャル・グループ取締役執行役会長副代表幹事中国委員会／地経学委員会各委員長商船三井取締役会長副代表幹事先端科学技術戦略検討委員会委員長住友商事取締役副会長代表幹事顧問東京大学先端科学技術研究センター特任助教パネルディスカッション登壇者の発言抜粋要旨政府・企業・アカデミアはギャップを超え連携が不可欠江藤経済活動と安全保障が不可分となった現代において、企業経営や国家戦略が直面する経済安全保障と地政学の新潮流について議論したい。経済効率性を追求する新自由主義、すなわちグローバル化からの逆流が起こり、各国は「国境線」えいを太くする動きに転じ、技術流出・情報漏洩の防止、サプライチェーンの多様化、パートナーシップの制限に向かっている。こうした状況下で、経済安全保障に関し政府・企業・アカデミアの視点にはギャップがあるように思えるが、本来は相互連携が欠かせず、方向性を共有するための長期ビジョンが必要である。金融、海運、商社、国際政治という多様な視点から米中対立を基軸とする国際秩序の変容の中で、日本企業と政府が取るべき戦略や課題を浮き彫りにしていきたい。「市場で生じるゆがみ」を捉え、リスクへの備えを三毛米国の相互関税の影響に関して、実体経済、金融市場、米ドル調達コストの観点から概観する。実体経済は相互関税の発動が保留されており、足元で顕著な影響は生じていない。企業の先行き不透明感は非常に強いものの、成長に向けた投資を実行する姿勢を堅持している。相互関税が発動・定着した後は景気減退が避けられず、米国の強硬な政策によっては世界経済の減速も起こり得る。金融市場は米国政府の動向に極めて敏感に反応している。このような中、「市場のどこでゆがみが生じているか」を捉える必要がある。現状、米国債の流動性が歴史的な低水準にあることは米国に対する信認低下を示唆している可能性がある。また、流動性の低さゆえ、ちょっとしたショックで市場が大きく動くテールリスクを孕んでいる。市場のボラティリティによって米ドル調達コストが上昇する恐れがあり、日本の財政にかかわる疑問が増せば、さらに負担増となる可能性もある。現状、関税に注目が集まっているが、ここに防衛費増額が加われば、日本国債の格付けにも影響しかねない。その意味でも、プライマリーバランスの黒字化目標をピン止めすることは必須である。関税影響については、価格転嫁が進むと消費者に負担がかかってくるが、現時点では輸出企業が関税負担をカバーしているため、まだそこまで顕在化していない。多くの企業は関税増を予見して在庫を積み上げている状況だと思う。実際に関税が発動すれば、競合他社との兼ね合いを考えながら個々の経営判断が進むと思う。外航海運の安全確保は官民一体で取り組む必要がある池田外航海運では、中国発米国向けコンテナの荷動きは、関税発動前の駆け込み輸出から発動後の減少へと大きく変動した。米中間の緊張緩和を受けて一時的に回復基調にあるが、米国向け輸出は秋以降、マイナスに転じる見込みである。一方、ベトナムから米国、中国から欧州向けの荷動きは拡大し、他地域に販路を求める動向が見られる。海運業界としては、発着地の変更があっても全体のボリュームが減らない限り、深刻な影響はない。ただ、関税の影響で世界経済自体が減速すれば、世界全体の荷物量が減少し、影響は避けられないだろう。直接的な影響が懸念されるのは、中国船舶の米国への寄港時に特別な入港料を徴収する方針を示している点だ。背景には衰退した米国の造船業・海運業の復活と経済安全保障上のデリスキングを目指す意図がある。しかし、造船分野では現在、中国が圧倒的2025/8・9keizaidoyu13

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特集１2025年度（第40回）経済同友会夏季セミナーなシェアを握っており、同盟国の日韓の造船能力も大きく後退していて、米国の方針は短期的には非現実的だが、経済安全保障の観点では、日本も造船業の再建を真剣に検討すべき局面にある。海運業から見た地政学的リスクとして、ホルムズ海峡、台湾海峡、スエズ運河、パナマ運河といった「チョークポイント」の機能不全がもたらす影響は大きい。相互関税の衝撃をウェークアップコールと捉える南部年代に日米構造協議、対米輸出自主規制を経験した。85年のプラザ合意に伴う急激な円高のインパクトは現在の相互関税よりもはるかに甚大だった。当社は米国に投資し、米国のインサイダーとなりつつ、米国では製造できない不可欠な高付加価値製品に特化する戦略で乗り越えた。相手国市場の内側に入り、市場をフィールドと読み替え、そこで戦略的不可欠性を備えることが揃えば、10年単位で見れば十分に成果が得られる。重要なことは、自由貿易体制が永遠に続くという常識から脱し、自らにとっての市場をどう組み替えるかである。コモディティの世界で戦うのか、付加価値商品の世界で生きるのかが問われている。日本は比較的、高付加価値商品寄りだが、あらためてウェークアップコールを受けている。関税問題を打開し、本来の日米協力分野を進めるには川井今回は日韓など同盟国にも国際緊急経済権限法（IEEPA）が適用されているのが極めて異例だ。最終的な最高裁判決は来年の中間選挙の頃までかかる可能性が高く、仮にその結果IEEPAが使えなくても、トランプ陣営は他の方法で関税措置を継続する構えだろう。さらに、米国側は通商・財務・投資を担う政権内の足並みが揃わず、交渉の一貫性が欠如している問題もある。関税問題の停滞は、AIや経済安全保障など本来の日米協力の妨げとなる。こうした局面の打開にはリーダー同士、つまり石破首相とトランプ氏の直接対話しかないと考えている。早期にこの問題を解決し、日米・QUAD・日米韓などの多国間連携の未来へ議論を進める必要がある。次世代の国際秩序や負担のあり方を日本がリードすべきという大きな視点での議論が必要だ。日本こそが次世代の国際秩序や負担のあり方を米国と共にリードしていくべきだ。米中の狭間で、経営者は自らの航路を探る池田中国を訪れるたびに、中国の勢いに圧倒される。私たち世代は、中国と言えば自転車と人民服のイメージが強かったが、今では明らかに「日本は負けている」と感じる部分が多くある。中国が優れているところはしっかりと認め、そこから学び、いかに活用するか、という視点が重要だ。日本が内向き化し、「ジャパン・ファースト」に陥ることに危機感がある。また、米国か中国かという二元論的な発想もあるが、それは無理だと言いたい。日本が米国の体制に組み込まれている現実もあり、米国の国益に沿っていく必要はあるが、中国との経済的な結び付きは不可欠なものだ。だからこそ、岩礁だらけの狭い航路でもスムーズに進んでいく複雑な舵取りが求められる。産業や企業によって、中国との向き合い方や立ち位置は異なるはずなので、最終的にはそれぞれの経営者が自分の頭で考え、最適なバランスを判断するしかない。日米中の力学を見据えた技術と人材の戦略的育成が重要南部年のWTO加盟にあたり、将来的な関税の引き下げや市場開放を約束しながら、最終的には自国産業を保護し、勝者になった。自由貿易を追求することが理想だが、国際社会の現実として各国の国益がある。これにしたたかに対応するため、日本としては中長期的に活用できる技術を育み、それを支える人材を官民学で育成しなければならない。同時に、中国の市場規模は大きく、PoC（概念実証）の場としても魅力的だ。自国の強さを守りながら相手のそうした部分を活用し、協働する方法を考えることが大切だ。米国との関係においては、安全保障という大きな枠組みがある以上、DARPA＊1のようなインキュベーションシステムなども忌避することなく活用し、国内に戦略的に技術・人材を循環させる仕組みを実装することが重要となる。日本の技術的強みを活かした戦略的不可欠性を構築三毛日本はエネルギー・食料・デジタルという経済安全保障にもかかわる重要分野で構造的赤字が続いている。この分野の競争力を高め、関連産業を育成していくため、金融機関として融資などを通じて長期的に支援することが、日本経済の活性化に向けた道筋になると考える。日本が守るべきものは個々の産業以上に自由貿易体制だ。世界経済をけん引してきたのはグローバルな自由貿易にほかならず、それが今回の関税問題で崩れるようなことになれば、世界経済の失速リスクは計り知れない。米国が基軸通貨国として担ってきた役割には、構造的な双子の赤字が伴っており、世界各国はそこから恩恵を受けてきた。その維持が次第に困難になってきている。関税だけでなく、「自由貿易と安全保障の恩恵に誰がどう応分にコストを負担するか」142025/8・9keizaidoyu川井QUADやAUKUSなどの国際枠組みに戦略的にどう関与していくかが問われる。先端技術分野において教育は重要な一要素だが、QUADフェローシップ＊2が停止されたことを懸念している。内閣府調査によると、日本はマイクロエレクトロニクスや材料素材分野に強みがある一方、ソフトウエア分野では著しく遅れている。日本なしには成り立たない技術、他国が日本に依存せざるを得ない技術の幅と濃度を拡充していくことが急務だ。防衛装備庁内に創設されたDARPA型の防衛イノベーション科学技術研究所は、予算の確保・配分、大学連携が今後の鍵となる。日本の一部のトップ大学が参加に二の足を踏んでいるが、このスタンスが変わらない限り、科学技術力が国家戦略と結び付かない。＊1米国防総省国防高等研究計画局。インターネットやGPSなどを生み出すなど革新的な技術開発を促進する＊2米国でSTEMを学ぶ大学院生を支援する奨学金制度

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第１６セッション地域が稼ぐ時代へ：令和の地域共創地域が自らの創意と責任で稼ぎ競い合う中で成長する、新しい地域共創のモデル構築に向けた仕組みや地方税財政制度の改革などを議論した。モデレーターパネリスト杉田浩章佐藤主光中村時広田中仁伊達美和子地域共創委員会副委員長ボストンコンサルティンググループシニア・アドバイザー一橋大学大学院経済学研究科教授愛媛県知事ジンズホールディングス代表取締役CEO副代表幹事地域共創委員会委員長森トラスト取締役社長パネルディスカッション登壇者の発言要旨新たな地域共創モデルと地域運営に不可欠な税財政制度杉田「地域創生」をテーマに、地域が主体的に未来を切り開くための要件を探る。焦点の一つは官民連携を軸とした新たな地域共創モデルの構築、もう一つは自立的な地域運営に不可欠な税財政制度のあり方である。持続可能性を支える広域連携と共創型の地域経営佐藤現在、自治体が直面する最大の課題は「人材不足」である。人口減少に伴い、行政サービスのニーズは多様化・高度化しており、対応できる専門人材、特にデジタルや官民連携に対応できる職員が圧倒的に不足している。日本の地年に本格化したが、市町村が分権の受け皿となっていて、小規模自治体でも大都市と同じ行政サービスを提供していることから、制度の持続可能性に限界が見えつつある。これに対応するため、広域連携や都道府県の役割強化が重要である。すでに一部では事務委託、共同事業体、水道やごみ処理の連携などが実施されており、制度的な「器」はある。今後はその活用と拡大が求められる。併せて官と民、市町村と都道府県の壁を取り払い、共創型の地域経営へ転換することが持続可能な地域の実現には不可欠である。地方の危機に立ち向かう前橋のまちづくり田中年以上にわたり地域創生活動を続けてきた。かつて同県は魅力度・幸福度ともに全国最下位で、前橋市も評価が低かった。根本の課題は人口減少と経済の衰退であり、少子高齢化や若者流出により人材が減り、事業承継・インフラ・財政も厳しい状況にある。これらは行政だけでは解決できず、民間の積極的な関与が不可欠である。自身は「一般社団法人太陽の会」を設立し、企業や個人からの無償資金でまちづくりや起業支援を推進している。現在65会員が参画し、民間主導で長期的に持続可能な地域の価値向上に取り組んでいる。また、教育改革やデジタル基盤整備、大規模開発も進行中である。地域主導・現場発の行政運営への転換を進めている中村かつての地方自治体は国の政策を選択実行する「メニュー選択型行政」が主流であり、現状維持が基本姿勢であった。愛媛県では職員の意識改革や組織体制の見直しを進め、管理職登用に立候補制と選抜試験を導入した。特にデジタル戦略に注力し、実装検証により全国から企業誘致にも成功している。空き家の無人民泊活用や若手向けの創業支援研修による起業創出、商社的手法での県産品販路拡大も実績を上げている。今後は企画段階から官民共創で政策などを創り上げる「政策エコシステム」の構築を進め、県庁内に共創拠点も設置予定である。地域主導・現場発の行政運営への転換が着実に進んでいる。自治体の戦略転換と官民連携による地域自立伊達人口減少が進む中、自治体は住民確保のために行政サービスを競い合っているが、財源の制約から限界が見えている。地方の自立には広域経済圏の構築や新たな地域行政モデルの創出が不可欠である。かつて地方都市は東京を模倣して都市化を進めたが、画一的で魅力に欠け、若者の2025/8・9keizaidoyu15

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特集１2025年度（第40回）経済同友会夏季セミナー関心を引くことが難しくなっている。このような背景から、産業とまちづくりを一体として捉える「トータルソリューション」が求められる。愛媛県のように数値に基づく戦略的運営を行う自治体は企業的ともいえ、多くの自治体が抱える戦略不在の課題に対して示唆を与えている。官民連携による政策力の強化を杉田政策立案能力の向上は喫緊の課題であり、民間の視点や経験もその過程で重要となる。官民がビジョンを共有し協働することで、より実効性のある政策が可能となる。中村知事や田中氏が進めてきた取り組みをもう少し深掘りしたい。公務員の力を引き出す環境づくり中村公務員は極めて優秀で、期限や指示に対しては確実に成果を出す能力を持っている。一方で、創造性や新しいアイデアの創出に関しては民間の方が強みを持つと感じていた。その差を埋めるためには、創造性を育む「きっかけ」や「環境」が必要であり、時間はかかるが継続的な取り組みにより職員からも自発的にアイデアが出るようになった。首長の役割は実現性あるビジョンや政策理念を明確に持ち、公約として示すことにある。自由で楽しい環境の中で職員の主体性を引き出せば、組織全体の政策立案力は格段に高まると確信している。官民連携による持続可能な地域創生の条件田中地域には多様な人材と視点が存在し、行政が民間の発想や経験を柔軟に取り入れることが真の地域力を高める鍵である。地方交付税交付金制度は使途が不透明で、政策立案力に乏しい自治体では十分に活用できているとはいえない。「成長に資する挑戦」に重点を置いた地方創生2.0への転換が求められている。交付金は、官民共創による未来志向の制度設計に基づき、失敗も許容される柔軟な仕組みであることが望ましい。過去の補助金活用の失敗から行政側には根強い民間不信があり、この壁を越えるには、民間が無償で継続的な支援を通じて信頼を構築することが前提となる。行政側も補助金目的の不誠実な民間事業者を見極める目利き力とリスク判断力を高める必要がある。宿泊税を活用した観光地再生と地域活性化伊達観光戦略を担う人材確保には安定的な財源が必要である。そこで、自主財源として宿泊税の導入が有効とされ、国による制度化が望まれている。定率制の宿泊税は安定した税収が見込まれ、24年には1,000億円超が期待されるが、「何に使うのか」という明確な戦略が不可欠である。地方の観光地は老朽化が進み、再生が急務となっている。観光振興には民間だけでなく行政も一体となった投資が必要であり、その原資として宿泊税の活用が鍵を握る。地方創生に必要な税財政改革と共創モデルとは杉田観光を軸に地域創生を進めるには、将来ビジョンに基づいた計画と紐づく財源確保が不可欠だ。その財源を活用し、人を引きつける新しい暮らし方を実現するためには、官民の連携が極めて重要になる。特に地方税財政制度の抜本的改革が必要とされ、どの点を議論の焦点とするかが問われている。財源設計と制度改革における重要ポイントを問いたい。危機を地方が自立するための転換点に佐藤かつて地方自治体は国の政策を実行する「手足」とされ、地方交付税によって財源が保障されてきた。小規模自治体ほど手厚く配分される仕組みで、自立を促す動きが生まれにくい構造が形成されている。また、地方創生推進交付金も実態は困窮自治体へのばらまきに近く、自走を促す効果には乏しい。国は「自立支援」を掲げつつ、実際は「保護」の姿勢が強く、自治体の自主性を阻害してきた。今後、国の財政余力が低下する中で、現状のままでは地方の持続可能性は揺らぐ。むしろこの危機を契機に地方が自ら構想を描き、行動に移す必要がある。「危機は人を変える」という認識の下で主体的な転換が求められている。地方から吸い上げられる構造を変えるには田中現在の仕組みでは、東京に本社を置く企業が全国で稼いだ利益を本社所在地に集中させており、地方で支払われたお金が東京に流れる構造となっている。これは地方にとって搾取に近いともいえる状況である。企業版ふるさと納税においても、自分の地域に使ってほしいという意思があっても、制度上それが難しく活用しづらい現実がある。返礼品を目的とした個人版ふるさと納税についても、本来の寄付の趣旨が薄れている。全体的に見直しが必要だと考える。真の地方分権に向けた税財政改革と制度見直しの必要性中村地方分権の理想は、国が基幹分野に専念し、地域のことは地方が担う構造にある。現状は制度も能力も過渡期にある。地方交付税交付金や地方創生推進交付金は暫定措置であり、地方の政策力向上が求められる。一方で、短期的利益を競う「ばらまき政治」が横行し、特に財政力のある東京都の影響が全国に波及している。子育て支援などの基礎的支出は国が一律に担うべきで、地方は創造的政策に集中できる体制が必要だ。企業版ふるさと納税も単年度処理に限界があり、中長期的参画が可能な仕組み作りが重要である。自治体の単年度会計も将来投資を阻むため、基金化など柔軟な財政運用が必要とされている。162025/8・9keizaidoyu

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第１７セッション共助資本主義―挑戦と包摂が両立した社会の実現コミュニティで助け合う包摂性と成長への果敢な挑戦が両立する社会をいかに実現するか。また、そうした社会において企業価値を向上し、成長の果実を包摂的社会の維持に活かす経営について議論した。モデレーターパネリスト井上ゆかり玉塚元一山口明夫辻庸介髙島宏平副代表幹事共助資本主義の実現委員会委員長日本ケロッグ代表職務執行者社長副代表幹事韓国委員会／構造改革委員会各委員長ロッテホールディングス取締役社長CEO副代表幹事経済・財政・金融・社会保障委員会／企業変革委員会各委員長日本アイ・ビー・エム取締役社長執行役員副代表幹事スタートアップ推進総合委員会委員長マネーフォワード取締役社長統合政策委員会／農業改革PT／共助資本主義の実現委員会各委員長オイシックス・ラ・大地取締役社長パネルディスカッション登壇者の発言要旨いかに共助資本主義実現に取り組むか井上共助資本主義を実現するために求められる企業経営とは何かについて議論を行う。米国社会の分断は他人事ではなく日本においても収奪的社会のリスクが高まるのではないか。包摂的社会をつくり、誰もが失敗を恐れず、イノベーションを生み出せる社会をつくる必要がある。それを実現する理念が共助資本主義である。そして、経済成長なくして原資は出てこない。経済成長の果実を活かすことが必要だ。共助資本主義は新しいコンセプトである。どう捉えているのか、どのような活動に取り組んでいるのかを伺いたい。社会課題の解決をビジネス化することが「共助経営」のチャレンジ髙島共助資本主義が必要な背景について、私は切羽詰まっていると感じており、日本にもすでに分断社会は到来していると思う。ソーシャルメディアのフェイクニュースの議論があったが、右派・左派ではなく反権力、反エリート、反グローバリズムなどの点で一致し、社会の中で無視できないほど声が大きくなっている。資本主義が社会で存在することが許されないと、企業が経済活動を継続できなくなる。われわれは経済活動と社会活動の両立を急ぎ進めないといけない。その上で、共助資本主義における経営、すなわち共助経営を考えると、利益を罪滅ぼしのように使う従来のメセナ活動のような社会活動のフェーズを越えて、社会課題を解くことでビジネスチャンスをつかむことがチャレンジであると捉えている。ただ、利益を社会に還元している企業は儲けている企業がほとんどだ。社会課題に寄り添い、ビジネス化するという逆回転をわれわれが提示できるかがチャレンジである。共助資本主義の本質はチームワーク玉塚共助資本主義の考え方は時代に合致している。価値観が多様化し社会の分断が進む中で、政治はポピュリズムの方向に進まざるを得ない。難しい課題にメスを入れることを国政には期待できないだろう。社会保障、格差、地方創生の問題などがあるが、企業は特定の業界やエリアで社会課題に携われることになる。共助資本主義はチームワークだ。大企業、NPO、自治体が得意とする領域があり、チームを組み、社会課題を具体的に解決することが求められている。ロッテでは口腔の健康を出発点として事業を行っている。口腔の健康と認知症などの病気との因果関係が指摘されている。人工透析は月に40万～50万円程度の医療費がかかるが、国内には約35万人の患者がいるので1.8兆円の医療費になる。社会保障領域では未病や予防で企業と医療従事者、NPOなどが協力し、具体的な事例を作り、ムーブメントを生み出せるとよい。日本人はチームワークが得意な国民性を持っていると思う。チームワークで社会課題を解くことが必要とされている。パーパスをプロフィットに山口企業はなぜ存在するのかを考えてみたい。私は、松2025/8・9keizaidoyu17

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特集１2025年度（第40回）経済同友会夏季セミナー下幸之助氏の言葉である「事業を通じて社会に貢献するという使命を遂行し、その報酬として社会から与えられるものが利益である」に共感する。利益は社会に貢献した証である。企業だけではなく、社会全体の利益や持続可能性を高めるにはどうするのかが問われる。そのために企業ではパーパスを定義し、その実現のため稼ぐ力を向上させること、ポートフォリオを最適化し続けることが大事だ。何のために働いているのか、パーパスを起点に見失わないようにすることが求められる。企業変革委員会の議論ではパーパスをプロフィットに、ということが継続的に指摘された。経済合理性だけでは社員は動かない辻包摂と言うからには、この場にNPOやメディアの方などが参加いただくことがよいのだろう。スタートアップ推進総合委員会でもさまざまな提言を出しているが、行政など多様な方に入ってもらうことで提言の実現を図りたい。マネーフォワードでは社会を前に進めることを目指している。パーパスとは社会課題解決であり、各社でパーパスを掲げていると思う。当社はベンチャー企業の中で働きがいのある企業と評価されているが、社員が本当にやる気になる社内の仕組みをどう作るかが重要だ。当社も投資家からは怒られることもあるが、経済的合理性があるだけでは社員は燃え上がらない。ミッションやパーパスにはつながるが、利益につながりにくいテーマであっても、NPOなどと組んで進めることは社員もやる気になる。●グループディスカッション（抜粋）リーダーはサイレントマジョリティーを信じて共助資本主義の実現を企業が共助資本主義を実現するためにさまざまなことに取り組んでいるが、中には株主から稼ぐようにプレッシャーを受ける場合もある。それはノイジーマイノリティーである。マイノリティーを拡張するツールがSNSであると思う。ノイジーマイノリティーにリーダーが付き合わざるを得ず、新しいことをできないのが日本の現状だ。まともな人はサイレントマジョリティーだ。リーダーはサイレントマジョリティーを信じて共助資本主義を実現するためにチャレンジできるかが問われている。ノイジーマイノリティーを拡張するツールが使われることは不可逆だが、どう対応すべきなのだろうか。ソーシャルインパクトを見える化し統合報告書に掲載共助資本主義の実現委員会には、企業がソーシャルインパクトを見える化し、統合報告書に入れるフォーマットを検討する分科会があり、検討を進めている。例えば、エーザイなどには素晴らしい事例がある。しかし、グローバルでもまだ基準ができていない。統合報告書に出している企業は10社程度あるが、良いインパクトしか載せていない。フェアではないとの指摘もある。取り組んでいることがしっかりと伝わるように、共通のフォーマットを提案したい。企業向けの共助経営ガイダンスのアップデートも考えているので、それも使っていただきたい。連携を提供する仕組みの構築を稼いだものを還元することは正しくもあるが、間違ってもいる。社会への還元の仕方は主に二つあり、個人として還元することもあるが、本業そのもので還元することもある。本質的な問題解決につながっているか、またビジネスのゆがみ・痛みを解決するかが重要である。本会の取り組みにおいてもNPOとのマッチングは有用であり、考え方をテンプレート化するなどし、それに基づきレポーティングし、スコアリングするような仕組みも考えられる。連携を提供するような仕組みができれば、社会課題解決と企業のパーパスをつなげて共助に活かせるのではないか。出捐金を活用しソーシャルセクターへの資金の流れを作る５年前の数字であるが、日本の法人寄付は6,400億円程度、個人寄付は１兆2,200億円程度で、法人寄付は個人寄付の半分程度だ。共助資本主義の実現委員会では、どのように法人寄付を伸ばすかを検討している。企業としては法人寄付で損益計算書を傷めることがハードルになっているとの話もある。これに対し、出捐金は財務上融資と同じであり、損益計算書を傷めることなく扱える。徳島県の神山まるごと高専の例では、出捐金を15年間で拠出してもらい、両者合意したときのみ返還するとされている。出捐金を受け取る基金のような社団法人をつくりたいと考えている。出捐金で得られた資金を、融資を受けてでも社会課題を解決したいと考えるNPOに提供する。共助資本主義の実現委員会で議論しているので、まとまれば幹事会で報告したい。また、企割を損金算入できる制度である。寄付先に社員を送り、その人件費を寄付で賄うことも可能だ。コンセプチュアルな議論は哲学者との対話PTで進める共助資本主義の提言作成の際には、アダム・スミスが述べている共感をベースにしながら、「共助資本主義」という言葉を作った。今年から始める哲学者との対話PTでは、公益資本主義と共助資本主義の違いなどコンセプチュアルな側面についても検討する。182025/8・9keizaidoyu

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KEIZAIDOYU特集２共助資本主義の実現委員会能登半島地震支援イニシアティブ第２回のとマルチセクター・ダイアローグ共助資本主義の実現委員会は６月14日、石川県輪島市のNOTOMORIにおいて「第２回のとマルチセクター・ダイアローグ」を開催した。今回は石川県の馳浩知事をはじめ能登地域６市町（七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町）の各首長、能登で活動している経営者やNPO、経済同友会会員、インパクトスタートアップ協会、新公益連盟および大学関係者など100人強が集まり、これまでの取り組み内容や今後の計画・方向性についてディスカッションを行った。経済同友会はソーシャルセクターとの連携により社会課題の解決を目指す共助資本主義の具体的展開として、「能登半島地震支援イニシアティブ」を立ち上げ、継続的な支援活動を展開している。（所属・役職は開催時）被災地視察〇輪島キリモト輪島工房／漆のスタジオ本店〇輪島朝市跡／日吉酒造会議プログラム・オープニングトーク・開会挨拶・ピッチセッションキーパーソンが六つのテーマ別に発表・グループセッション六つのテーマ別に議論・全体発表・閉会挨拶モデレーター髙島宏平共助資本主義の実現委員会委員長オイシックス・ラ・大地取締役社長今村久美共助資本主義の実現委員会委員カタリバ代表理事オープニングトーク「のと」は共助資本主義の活動の中でも重要なテーマ髙島宏平共助資本主義の実現委員会委員長オイシックス・ラ・大地取締役社長今回は100人強の皆さまに参加いただいた。地元から60人、それ以外が40人で大学関係者、東北支援の経験者にもお越しいただいている。能登の復興は共助資本主義の活動の中でも重要なテーマである。前回の「のとマルチセクター・ダイアローグ」でも６グループに分かれて議論し、複数のイニシアティブが生まれた。前回は論点整理の位置付けが大きかったが、今回は議論を通してプロジェクトを再構成したいと考えている。本日は互いに敬意と尊敬の念を持って接すること、一人称での当事者意識を持つこと、とにかくアクションを生み出すこと、この三つのルールに基づき、議論を進めていきたい。開会挨拶企業の積極的な関与で包摂と挑戦を両立できるモデルを新浪剛史代表幹事サントリーホールディングス取締役会長本日の視察を通して、能登復興は少しずつ前進しているが、まだまだ取り組まなければいけないことが多いと実感した。そして、能登には素晴らしい自然や海の幸など良いコンテンツがたくさんある。課題をどう解決し、魅力をどう広げていくかが重要だ。産官学に加えソーシャルセクターなどのマルチセクターの知恵を集めたい。経済同友会では共助資本主義という考え方を提唱している。今、世界は共に助け合うという気持ちが希薄化してきている。誰かが勝って終わりという資本主義は持続可能ではない。そのため、企業が積極的に関与することで、包摂と挑戦を両立できるモデルを作りたい。その意味でも能登の復かんかんがくがく興は重要な位置付けにある。本日は前回同様、侃々諤々と議論し、実際のアクションと11月に開催する第３回のとマルチセクター・ダイアローグにつなげていきたい。2025/8・9keizaidoyu19

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復旧・復興とともに地域に多様な形でかかわる取り組み馳浩石川県知事経済同友会からの3,265万円の寄付金で能登高校に学習用の機器設備を導入することができた。既存の予算では対応が難しい案件を実現できたことに御礼申し上げる。石川県では現在、スポーツの力で復興を後押しし、復興の過程や能登の魅力を国内外に発信するため、能登駅伝の実施に向けた実行委員会を立ち上げた。２年後から３年に１度、選手となる大学生だけでなく、地域住民や子どもたちがかかわることができる駅伝にすることを目指している。また、「いしかわサテライトキャンパス構想の推進」では350人の大学生に能登に来てもらった。今後700人、さらには1,000人に向けマッチングを進めている。皆さまのご支援の結果、能登は着実に変わりつつある。一方で、被災地の住民は見捨てられるのではないかという不安な気持ちを強く抱いている。そのために、何にどのように取り組む必要があるか、議論していきたい。アートを通じた復興支援と地域の人たちとの対話北川フラムアートフロントギャラリー取締役会長奥能登国際芸術祭は17年に第１回を開催した。日本海にある半島の先端という能登の地は、かつて遣唐使や渤海使などの交流拠点で多様・多彩な文化が花開いていたが、東京とは距離があり最果てになった。しかし、能登には独自の文化がある。そのような地域の資源を活用し、地元の人と議論して作り上げてきた。珠洲市を舞台に国内外の著名アーティストによる作品展示などが繰り広げられ、特に地域の人たちと対話し地域の食を味わって能登を感じられるイベントである。23年に開催された第３回芸術祭には経済同友会が来訪して、現在の良い関係につながった。アートを起点とした拠点整備やコミュニティ再建が進行中だ。今後も文化資源の活用と住民参加による地域の復元力を支えていきたい。ピッチセッション／グループセッショングループリーダーによるピッチセッションでの発表と、参加者によるテーマ別グループセッションのダイジェストを紹介する。①子ども・教育今村久美共助資本主義の実現委員会委員カタリバ代表理事再編統合を避け、「選ばれる高校」作りを模索前回は能登の高校について議論した。奥能登には高校が５校あるが、10年前には1,300人いた生徒が震災後には780人ほどまでに半減し、1学年200人を切っている。知事には再編統合しないとの意思を持っていただいている。そこで、この５校を全国の皆さまに選んでいただけるように議論している。震災後、月に１週間程度能登に滞在したが、学校だけでは対応し切れない課題の解決に向けて、NPOなどの団体が、各地域で取り組みを始めたことに希望を持った。東日本大震災の事例を見ると、当時はばらばらに活動していた人が今は一緒に合宿をしたり、全国の子どもたちが復興地域のサマーキャンプに参加するなど、セクターを超えたネットワークづくりが進められた事例がある。能登においても、住んでいる人は減っていても旅をしよう、その先は住もうという動きを民間の力でつくっていきたい。《グループセッション・ダイジェスト》●奥能登では人口減少が進んでいるが、県としては５高校を維持する方針だ。合宿やAI学習、部活動などのために自由に集まることのできる拠点を作るという方法もある。●生徒が学べる仕組みと拠点をハード・ソフトの両面で作るべきである。AIなどはコンソーシアムを組んで行うべきだ。地域資源を活かした教育も考えられる。●奥能登だけでなく、外部からも生徒を呼び込むためには寮が必要だ。建設には企業に協力してほしい。●奥能登では教員の高齢化が進み、教員不足となっている。金沢市から若手の教員が送り込まれ、教員はやりがいを感じて成長する一方、定着しないため、県として教員のキャリアパスを考えていく必要がある。●企業がどのように支援に参加していくのか。継続的な検討が必要だが、寮や総合センターなど企業や大学生が集まる拠点を作ってほしい。202025/8・9keizaidoyu

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特集２第２回のとマルチセクター・ダイアローグ②観光多田健太郎多田屋取締役社長③関係人口立花貴MORIUMIUS代表理事能登の魅力を点と点をつなぐ滞在型プログラムを作るには和倉温泉の宿泊施設は震災前には1,300室だったが、震災後は900室程度に減少する予定だ。観光客も減少し、旅行形態も個人型が進むだろう。採算を取るためには高級化が進むと思われる。復興には温泉地としての魅力が必要になる。従来は施設を充実させてきたが、それだけではリピーターが生まれにくい。お客さまの歩く街並み、商店、住人のウェルネスに配慮する必要がある。能登の魅力発信拠点としての和倉温泉の活用が期待される。これまでは、和倉温泉まで来てくれればよいという関所のようになっていた。そうではなく、和倉温泉をハブ地として奥能登までいかに人を運ぶか、2泊から1週間などできるだけ長く滞在してもらうために何が必要かが重要だ。能登の魅力を発見するには、震災を機に生まれる観光を発見することが必要だ。また、点在する能登の魅力を点と点をつなげるような滞在型プログラムを作るにはどうすればよいか、議論したい。《グループセッション・ダイジェスト》●能登にどのような魅力があり、どのような組み合わせでコンテンツとして発信していけるかが重要だ。食や温泉に加え、能登に行く理由となるプラスアルファは何か。人との触れ合い、のと鉄道の観光列車、釣り、ありのままの集落や景観、ボランティア体験、震災復興の学びなどがある。コンテンツの情報発信には企業側がお手伝いできる。●能登空港と和倉温泉を玄関口としつつ、連泊や長期滞在には古民家再生による民泊を活用するとよい。語学の問題はアプリで対応できるため、観光公害は準備すれば防ぐことができる。●能登全体で関係者がしっかりつながり、能登の観光を考える必要がある。能登半島の観光プランを作りたい。●今後もこのメンバーで勉強会を継続したい。「ドミノ倒しの一つ目」は企業による人的支援宮城県石巻市雄勝町にある「MORIUMIUS」は、東日本大割が被災し、人口も1,000人にまで減少した地域に開設された学びの場で、現在、都市部や海外から子どもたちが集まっている。築100年の廃校舎を２年半かけて改修し、64人が宿泊できる施設として整備した。子ども週間程度の滞在型が中心だ。子どもが来ない時期には企業向け研修を行う。こうしたモデルは教育事業にとどまらず、持続可能な雇用の創出により地域を元気にすることにつながる。関係人口の創出に必要な「ドミノ倒しの一つ目」は企業による人的支援である。企業が地域のNPO団体などに社員年程度出向させることで、その組織の活動が一気に加速するレバレッジ効果が生まれる。これがより持続的な変化と地域再生に直結するという確信がある。能登のような取り組みを行う団体が四つできた。ぜひ企業は研修などで活用してほしい。《グループセッション・ダイジェスト》●大企業から地方への人材派遣を検討すべきだ。ゼロから何かを生み出す他流試合のハードな形態であるが、優秀な人材の育成として有効だろう。ただ、企業はエース級人材を出しづらい。そのため、関係人口を増やす意味では50代、60代の第二の人生のきっかけとして人を派遣するという建付けも有効だ。そのためにプロボノ＊、インターン、通常業務など地方の全てのニーズをまとめたマッチングの仕組みが必要だろう。●地方にかかわりたいと思う母数をいかに増やすかが重要だ。企業ではアウトプットを求めてしまうが、大学生は交通費の支援などがあれば比較的身軽に動ける。若者の挑戦の場としての集落への派遣も有効に機能する。●地方（企業・自治体）から大企業に人材派遣するのも有効ではないか。地方人材が大企業のノウハウを得られる効果に加え、大企業と地方の接点ができるという意味で、関係人口の増加に有効に機能する。＊職業上の知識やスキルを活かして取り組む社会貢献活動2025/8・9keizaidoyu21

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④能登の食高橋大就東の食の会専務理事福島県浜通り地域代表「最高の食」があるが、生産と供給に大きな課題「東の食の会」は震災直後より地域にとどまり活動を継続してきた。能登の震災を機に、「のとのもん」というプロジェクトを共に立ち上げ、新たなブランド創出を開始した。東北と能登が連携して、世界に誇る地域食のブランドになる未来を目指している。「最高の食（価値）」があると同時に、生産面や供給体制には大きな課題が残されており、生産の現場に根本的な支援が必要だ。素晴らしいものがある一方で、それを「最高の価値」として流通させるための仕組みやブランドづくりなどの支援体制の構築が急務である。鶴野晋太郎鶴野酒造店のとの食を助けてほしい能登町の酒蔵で日本酒「谷泉」を醸造している。能登の豊かな自然の恵みを受けて日本酒を醸造してきた。地元の祭りや神事など生活文化と密接に結び付いた酒造りは、地域アイデンティティの中核を成している。震災で能登の酒蔵11蔵中９蔵が大規模半壊以上の被害を受けた。元の事業に戻りたい思いがある一方で、負債や高齢化といった構造的問題により再建は困難な状況にある。地元の食を助けてほしい。《グループセッション・ダイジェスト》●人手不足と担い手育成の課題だ。高齢化も進行し、深刻な人手不足の状況が続く。都市部からの人材呼び込みや企業の出向派遣、県が開催している「農業塾」などの制度活用が求められている。●能登牛や海産物などの地域資源は品質が高い一方、ブランド化や適正価格での流通、販路の確保が課題だ。消費地への直接販売や見える化による付加価値の向上も検討している。●復興と地域連携による食文化の再生を強化すべきだ。復興の柱として「まいもんまつり」など食のイベントに焦点を当て、観光との連携や首都圏イベントでの発信強化が進められている。企業・行政・学生など多様な主体が協働し、地域内外の連携を重視した取り組みとなっている。●「能登の酒を止めるな！」プロジェクトを推進したい。酒蔵の皆さんと一緒に、全国の方々と共同でお酒を造って流通させることを進めている。最近、香港でイベントを行い約3,000人が集まった。９月には１万人規模のイベントを東京・大手町で開催予定である。能登の食材と共に物販する。⑤復興拠点・アート関口正洋奥能登国際芸術祭プロジェクトマネージャー奥能登珠洲ヤッサ―プロジェクト事務局長アートフロントギャラリーアートを起点とした拠点整備やコミュニティ再建復興拠点について、コンテナハウスや古民家の利活用、文化資源の保存・展示などを通して、地域に根差した拠点の形を検討している。設置場所の選定、運営主体のあり方などが議論の焦点だ。「奥能登国際芸術祭」は珠洲市全域を舞台に展開してきた。地域文化や自然環境を活かした作品が、地域全体に展示されてきた。アーティストやサポーターが地域外からかかわり、地元住民と協働で作品や運営を進めている点が特徴だ。震災で常設作品29点のうち11点が被災したが、18点以上は現存し、修繕・再活用に向けた支援が始まっている。スズ・シアター・ミュージアムでは漁具や農具、生活用具を集めて博物館的に展示し、光や音を通じて震災前後の地域の記憶を伝える場としている。レストランや写真・映像資料なども併設している。スズレコードセンターでは震災の記録や復興の軌跡を写真や映像を通して伝える試みが進行中である。奥能登には祭り、食文化、日本海とのつながり、漁業、塩田、里山、寺社、木造建築などアーティストが作品を作りたくなる場所がたくさん存在する。《グループセッション・ダイジェスト》●能登の復興に向けて、地域住民・自治体・企業・アーティストが連携し、生活再建と地域再生を進めている。県外からの関心と支援意欲も高く、広域的・多角的なアプローチが求められている。輪島塗職人の養成学校設立に向けた支援も行う予定だ。●住まい・コミュニティ・働く場など多様な機能を持つ拠点整備が急務だ。移住者や帰省者のためにも、コンテナハウスや古民家の官民連携による活用情報が重要となる。古民家見学ツアーなど集中的なアプローチを展開したい。●復興過程にアートの力を活用し、住民の心の支えや地域の活力につなげる動きがある。奥能登国際芸術祭の今後は未定だが、復興のきっかけとして、珠洲市以外の地域から222025/8・9keizaidoyu

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特集２第２回のとマルチセクター・ダイアローグの期待も高い。広域の芸術祭の開催には石川県の主導が不可欠であるという意見が出た。⑥ディザスターシティ大西健丞副代表幹事／共助資本主義の実現委員会委員長ピースウィンズ・ジャパン代表理事能登を災害対応拠点に大規模災害時には行政のみでの対応は限界があり、自衛隊を含めた公的機関の努力に加え、民間活力を総動員しなければ支援が届かない。企業の社員、自治体職員、防災・災害援護の専門家、森林組合の技術者などが一体となり災害対応にあたる統合したチームが必要である。米国では災害対応訓練や物流・輸送手段の整備が進み、17万人が集まることのできる災害対応拠点が存在する。このような拠点には空港や研修施設が併設されており、日本でも参考になる事例だ。拠点整備のための「空いている土地」の確保が課題だ。能登には比較的空いている能登空港がある。輸送機の着陸可能な場所を拠点化することで、民間と行政の連携した拠点になり得る。即戦力として現場で機能する人材を育成するには、あらかじめ多様な人材を対象に訓練しておく必要がある。災害対応を専門とする大学院大学などの設立を提案したい。年間１万人規模の受け入れが発生し、観光と同じようなインパクトが地域にももたらされる。能登を日本、ひいてはアジアで災害が発生した際にも対応できる拠点にしたい。《グループセッション・ダイジェスト》●能登を国際的な人材育成拠点として、災害支援の教育・演習施設を設置し、自治体・民間・海外政府と連携する必要がある。●災害対応の政策から現場までを担える多様な人材の育成と現場対応力の強化を目指し、大学や技術者の訓練機関と連携した包括的な教育・訓練拠点といった、具体的な構想を提案する必要がある。企業はBCPの一環として社員を研修に送り出すことが大事だ。●森林・林業技術を活用した災害対応力を強化し、同時に社会人・学生への段階的なスキル研修モデルを検討して実践する必要がある。●金沢大学では復興人材の学士課程をスタートした。またそれとは別に年間100人の防災士資格取得を目指している。社会人向け研修にも力を入れている。全国から40人集まり、里山体験と絡めた防災教育に取り組んでいる。目標とする取り組み馳浩石川県知事第２回のとマルチセクター・ダイアローグにおける議論を受け、目標とする具体的な取り組みが見えてきた。●能登を復興の日本モデルと位置付け、学術的な取り組みをどう展開していくか。●災害対応力の向上を目指すディザスターシティ構想の実現に向けて。●能登の市町に広げた奥能登国際芸術祭の開催に向けて。●能登の食のブランド化に向け、能登の豊かな食材と伝統的な食文化をどう打ち出すか。●能登半島デジタルアーカイブとして、震災の記録も記憶も後世に残していく。●奥能登５高校の魅力化に向けて、教える人、学ぶ人に来てもらうためにどう工夫するか。これらの取り組みの具体化を目指し、第３回のとマルチセクター・ダイアローグに向け議論を深めていきたい。閉会挨拶多くの企業がコミットし、共に問題解決を新浪剛史代表幹事経済同友会が行っている「リーダーシップ・プログラム」にはこれからを担う経営者になるような人が参加しているが、能登に来て自分事として学ぶという研修も設けたい。能登の皆さんがどういうご苦労をされて、何をしなければいけないかを考えていただくことが何よりも重要だ。東北や熊本の災害では企業の物流チェーンが壊され、企業にとってまさに自分事となった。企業の進出が少ない能登だからこそ、自分事でないことを自分事化する共助資本主義の取り組みが重要だ。自然災害などに対応できる経済社会をつくることが、経済同友会としても大変重要なことと思う。まだまだいろいろなことができる。考えれば知恵が生まれるのが民間である。知事のお話を受け、経済同友会としてディザスターシティを一緒にやっていきたい。また、奥能登国際芸術祭についても経済同友会としてコミットしたいと考える。2025/8・9keizaidoyu23

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>>委員長メッセージ接客サービス業を支える現場人材のスキルを可視化し、個人の能力開発と処遇改善を起点に好循環の実現をサービス産業活性化委員会（2024年度）委員長／菊地唯夫・水留浩一（インタビューは８月１日に実施）接客サービス業は、日本の雇用の約４割を担い、観光立国に向けた成長の基盤として、また地域の生活を支えるインフラとしても重要な役割を果たしている。一方で、賃金水準の低さにより人材流出が進み、慢性的な担い手不足により就業環境やサービス品質、生産性の低下が連鎖する悪循環が顕在化している。菊地唯夫・水留浩一両委員長が語った。接客サービス業に焦点を当て、人材の「量の確保」から「質の維持・向上」へ菊地サービス産業には、実に多種多様な業態があります。今回の提言では、小売・飲食・宿泊など、対面での接客を主な業務とし、労働集約的な要素の強い「接客サービス業」に焦点を当てました。この分野が活性化しない限り、日本経済全体の活力を取り戻すこともできないという問題意識です。成長分野である観光産業を直接支えるとともに、疲弊する地方経済を再活性化するのも、こうした産業の大きな役割だと考えます。水留加えて、接客サービス業は、介護サービスが典型的ですが、生活に欠かせないライフライン的な側面もあります。この分野の量的・質的な充実が図られなければ、社会の安定性が大きく損なわれてしまう。まさに喫緊の課題であり、今取り組むべきテーマとの認識を、委員会では共有しました。菊地この分野には、さまざまな課題が山積し、その背景も非常に複雑です。まず、産業構造の特徴として、中小規模のプレーヤーが非常に多いことが挙げられ、生産性の向上策を一律に図ることは困難です。また、サービスの提供とお客さまによる消費が同時に行われることで、ストックができないという特性があり、サービスの質が現場人材のスキルによるところが大きいことがあります。経済同友会では、昨今、外国人労働力や「年収の壁」問題など、「量の確保」に主眼を置いた提言をしています。しかし、現場目線で考えると、より本質的には「質の維持・向上」を追求すべきではないかとの結論に至り、委員会ではその点を一つの突破口として、議論を重ねました。鍵は個人の「スキルの可視化」結果的に人材確保と生産性アップに菊地産業全体の現状として、生産性が向上せず賃金が低迷する、そのために人材が流出し、残った人材への過度な負担や人材の質・サービス品質の低下が生じ、さらに生産性が下がるという負の循環が生じてしまっています。そうした状況の改善のためには負の循環を逆から回していく必要があると考えました。つまり、まずは質の高いサービスを提供する人材をきちんと評価し、処遇を適正化することで、人材の定着・流入を図り、それを契機にサービスが充実して生産性が上がる、という正の循環への転換を目指したのです。その起点となるのが現場人材をきちんと評価するための「スキルの可視化」です。スキルに応じた処遇の担保ができると、結果的に人材の確保にもつながります。この産業では40代から50代の人材が介護離職するケースがとても多くなっています。提供と消費の同時性などにより、働きながら介護することが難しいわけです。そうした人材が再び働きたい場合に、ゼロベースではなく、スキルのストックがきちんと裏付けされていれば、復職もしやすくなります。水留接客サービス業は、正規・非正規など多様な働き方で構成されており、人材の流動性も高い産業です。そうした中で、人が集まる魅力的な職場とはどのようなものかというと、やはり自分ができることを正当に評価242025/8・9keizaidoyu

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CLOSE-UP提言菊地唯夫委員長ロイヤルホールディングス取締役会長1965年神奈川県生まれ。88年早稲田大学政治経済学部卒業、93年フランスESSEC経済商科大学院大学卒業。88年日本債券信用銀行入行。2000年ドイツ証券会社東京支店入社。04年ロイヤル入社。07年取締役総合企画部長兼法務部長兼グループマネジメント部長、10年取締役社長、16年取締役会長（兼）CEO、19年取締役会長。2023年５月経済同友会入会。24年度より副代表幹事。23年度年収の壁タスクフォース座長、23年度よりサービス産業活性化委員会委員長。水留浩一委員長FOOD＆LIFECOMPANIES取締役特別顧問1968年神奈川県生まれ。91年東京大学理学部卒業。91年電通入社。2000年ローランド・ベルガー（日本法人）入社、05年代表取締役。09年企業再生支援機構常務取締役。10年日本航空取締役副社長。13年ワールド取締役専務執行役員。22年FOOD&LIFECOMPANIES代表取締役CEO。2006年３月経済同友会入会。23年度よりサービス産業活性化委員会委員長。してくれる職場、それに見合った報酬が得られる職場ということになると思います。そうした場に人が集い、さらにスキルを高めようと個々人が努力して、活性化していく。しかし、その前提となるスキルの評価という部分で、評価制度が未整備であったりスキルレベルが評価できない制度であるなど、基盤が不十分な現状があります。提言では、外部労働市場に通用するスキル評価制度の構築に関するノウハウ・資金面での支援や、既存の国家資格のアップデート・階層化など、基盤を整えるための支援を国に求めています。接客サービス業向けのさん自己研鑽のための枠組みクラフトマン・エグゼンプション水留現場の声に触れると、スキルの取得・育成には相応の時間がかかるが、人手不足や労働時間の制約からその時間が取れないとの意見が多く寄せられました。先ほど触れた通り、接客サービス業の現場人材のスキルは可視化されておらず、現場で人から学ばなくては身に付かないものが非常に多いこともあり、OJTによるスキル取得が中心でした。労働法制のルールが広く、正しく適用されるようになってきた現在、スキルを学びたい熱意ある人材がいても、労働時間の制約により、学ぶことも教えることも難しくなっています。一方で、働きたい、スキルを上げたいと考える人はいます。それは、スポットワーカー（短期・単発の就労者）の２割の方々が正社員であるなどの実態からもうかがえます。そこで、われわれが考えたのが「クラフトマン・エグゼンプション」と呼ぶ、スキルの取得・育成のための時間確保の枠組みです。自らの意思で、自らに投資する目的で、集中的に自己研鑽できる自由度を設ける。スキルを学ぶ本人の訓練時間は労働時間外とし、スキルを教える指導役が訓練に費やす時間は労働時間の対象として、時間外労働の上限規制を超えて行うことを可能とする、というものです。菊地当然、「悪用されるリスクもあるのではないか」と懸念を抱く方もいると思います。その予防策として、対象は国の認定を受けたスキル評価制度に基づく資格取得を目的とする訓練のみとする、利用にあたり公的な機関に事前に申請するなど、一定のルール作りも必要と考えています。現在の一律の労働時間規制では、グローバルな競争力が低下する懸念もあります。スキル向上を考える上では、働き方・学び方への多様なニーズを踏まえて、国の制度のあり方もより柔軟に考えていく必要があるのではないでしょうか。介護サービスの安定供給が急務菊地提言では、別途介護サービスだけ単体の産業分野として、課題や施策を提示しています。その背景には、接客サービス業全体で介護離職が多いという現実があります。介護をしなければならなくなると、時間的な制約から「店やチームに迷惑をかけるから」と職を離れてしまう。そのため、介護サービスを安定させることは、間接的にサービス産業全体の人材流出を抑えることにつながるもの2025/8・9keizaidoyu25

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CLOSE-UP提言と考えています。水留介護サービスは行政の規制が強い産業ということもあり、介護記録など行政に提出する書類の作成に大きな負担が生じています。介護サービスを含め、接客サービス業で働く人材には、「現場（接客）が好き」という人が実に多く、介護の現場で働く人がそのスキルを最大限に活かし、産業の生産性を高める上では、過重な規制を緩和する、事務のDXを推進するなどの負担軽減に取り組み、利用者ケアに充てる時間を増やす必要があると考えました。変革の起点は現場にあり各企業で取り組みを菊地今回の提言は、現場目線で課題や今求められている対応を検討しました。世界で評価される日本のサービススキルが可視化され、外国人労働者が日本での就労経験を通じてそのスキルを身に付けたことが海外でも評価されるようになれば、外国人労働者を獲得していく上でも有効なツールとなります。スキルの可視化は業界でなければできないことですが、国が後押しすることも重要です。業界団体、国それぞれの役割を議論しながら協力して実現していきたい。このような取り組みを通じサービス産業を強くすることが、製造業だけに頼らない「プランＢ」を持った、より強い日本経済につながるとも考えます。水留今回提示した課題に対して、各企業がどのようにアクションできるかが非常に重要だと思います。スキルの可視化や、正規・非正規などの働き方ではなくスキルに応じた処遇の適正化は、ぜひ各企業で進めてほしいし、クラフトマン・エグゼンプションについても、その意義についてご理解を得て実現に向けて働き掛けていきたい。個々の取り組みがあって初めて、サービス産業の足腰は強くなっていくのだと思います。提言概要（７月10日発表）サービス産業の持続的な成長に向けて～個人が輝く産業になるために～経済同友会では、日本経済が持続的な成長を続けるためには、GDPや雇用の７割強を占めるサービス産業の生産性向上が不可欠であると考え、これまでもさまざまな提言や実践活動を行ってきた。しかし、人口減少、少子高齢化が進展する中、エッセンシャルワークの担い手不足や生産性停滞は深刻さを増しており、サービス産業の中でも対面接客現場を有するサービス産業（以下「接客サービス業」）の活性化は急務である。接客サービス業（小売、宿泊・飲食サービス、生活関連サービス・娯楽、教育・学習支援、医療・福祉）は日本の雇用の約４割を占め、観光立国に向けた基盤であると同時に地域のインフラ基盤でもあるなど、重要な産業であるにもかかわらず、長期にわたる生産性・賃金の低迷によって、介護サーⅠスキルの可視化を起点に、個人のスキル取得の促進とスキルに応じた処遇の実現を図る。●スキルの可視化（処遇の適正化）・スキル評価制度の構築・運営事例の共有・職業能力検定の構築・運営費用の助成・国家資格のアップデート・階層化●個人の意欲に応じた早期のスキル取得支援（時間）・クラフトマン・エグゼンプション（仮称）Ⅱビスを筆頭に供給制約、品質の低下が生じる悪循環に陥っている。好循環の実現に向けて多岐にわたる取り組みが求められる中、今回、接客サービス業の価値創造の源泉である現場人材の主体的な能力開発と処遇改善の促進を起点として、人材流入、質の高いサービスの維持・向上を通じた生産性・賃金の向上を実現すべく、業界主体のスキル評価制度の構築に対する支援などに関し、以下の通り政府に対し提言を行う。また、介護サービスは、供給制約が産業全体の労働供給に影響を及ぼすことから、その安定供給は緊急性・重要性が高いとの考えの下、介護固有の制約の解消などについて提言している。多様な人材が活躍できる環境づくり（働き方にかかわらず能力で処遇される環境づくり）介護業界はそれ自体が接客サービス業であるだけでなく、提供と消費の同時性ゆえに就労における時間的制約が厳しい接客サービス業の労働供給に影響を及ぼしかねない産業である。そのため、介護サービスの維持と安定供給に向けて取り組むべき施策を提言する。介護サービスの安定供給の導入・検定受検資格の実務経験年数を一律勤務時間数とする・指導付の訓練時間を検定受験資格の実務経験年数に含めることを可能とする●スキル取得支援（費用）・団体等検定の合格を目指す講座の運営費用の助成・資格取得による賃上げに対する税額控除・自治体向け申請・報告手続きの簡素化・標準化・テクノロジーの導入・定着促進・人員配置基準の緩和等・外国人の採用・定着支援詳しくはコチラ262025/8・9keizaidoyu

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経済同友会つながる▲▲▲RELAYTALK#310紹介者安田結子ボードアドバイザーズ取締役副社長浜直樹富士フイルムビジネスイノベーション取締役社長CEOラグビーの恩師の教えと経営の原点私は学生時代、ラグビーに熱中していた。恩師は、故・上田昭夫さんだ。トヨタ自動車に勤める傍ら、私が所属する慶應ラグビー部の監督を務め、週末や祝日にボランティアで指導してくださった。大変厳しい方だった。同期は40名以上いたが、激しい練習に耐えきれず辞めていき、最終的に残ったのは25名。その中には玉塚元一さん（現ロッテホールディングス社長）もいた。試合に出場名中15名と狭き門であった。４年生の時、上田さんから両親に一通の葉書が届いた。「浜君は頑張っている。チームに貢献している。もう少しでレギュラーというところまできている」と書かれていた。両親はとても喜んでいた。厳しさの裏に心配りのある優しい方だった。その年、初めて公式戦に出場でき、関東大学対抗戦を全勝優勝。大学選手権決勝では、故・平尾誠二さん率いる同志社に惜敗したが、満足のいくシーズンだった。引退を考えていた頃、上田さんからの電話が鳴った。「浜、また出たくないのか。チームに貢献できることがあるだろう」。その一言で、５年目も続けることを決意した。結果、大学選手権で明治と同点優勝、日本選手権ではトヨタ自動車を破り、慶應は初の日本一となった。素晴らしい形でラグビー人生を終えることができた。卒業後、富士フイルムに入社し、６年半の工場勤務を終えて東京に戻ったある日、慶應ラグビー部の総監督となった上田さんから再び電話があった。「浜、コーチをやれ」「自分には無理です」「必ずお前の会社人生に役立つ。会社には手紙を出す」(ガチャン)。その言葉に背中を押され、母校のコーチを引き受けた。卒業後もずっと見守っていてくれたのだと思い、目頭が熱くなった。「人の可能性を信じ、厳しさの中に温かさを持ち、チームのために尽くす」―その姿勢が私の原点だ。多くのことを学ばせていただいた上田さんには感謝しかない。今も毎年、谷中霊園にある上田さんのお墓に報告に行っている。人には必ず良いところがある。そこを見つけ、信じ、伸ばしていくこと。上田さんの教えを胸に、私もそうありたいと心に誓っている。▲▲次回リレートーク木村美代子キングジム取締役社長2025/8・9keizaidoyu27

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新入会員紹介会員総数1,727名（2025年７月29日時点）佐藤光信石橋健司塩田信行所属：明治安田生命保険役職：常務執行役員所属：明治安田生命保険役職：執行役員所属：明治安田生命保険役職：執行役員田中良昌湯目由佳理吉田俊哉所属：大東建託役職：取締役上席執行役員所属：大東建託役職：執行役員所属：野村ホールディングス役職：執行役員黒川洋中島正樹鈴木基所属：野村不動産ホールディングス役職：取締役兼執行役員所属：SCSK役職：取締役会長取締役会議長所属：レイヤーズ・コンサルティング役職：取締役堀込岳史玉城国博成田裕所属：アシックス役職：常務執行役員CAO所属：沖縄ツーリスト役職：取締役所属：ヤクルト本社役職：取締役社長小川理子清水和彦堀江喜義所属：パナソニックホールディングス役職：執行役員所属：フォースタートアップス役職：取締役所属：住友生命保険役職：執行役専務高橋渉アーサーM.ミッチェル江良明嗣所属：オリエンタルランド役職：取締役社長（兼）COO所属：コマツ役職：社外取締役所属：BrunswickGroup役職：パートナー山本修田中浩一朗朝比奈健所属：ユニゾン・キャピタル役職：パートナー所属：田中貴金属グループ役職：取締役社長グループCEO所属：JFEスチール役職：専務執行役員杉野光広大町興二岩下純子所属：日本製紙役職：取締役副社長副社長執行役員所属：S&Pグローバル役職：マネジング・ディレクター所属：パソナ役職：常務執行役員関口範興和田千弘田中和貴所属：SandBTSGlobal役職：CEO所属：ランサーズ・ストラテジック・コンサルティング役職：取締役社長CEO所属：休日ハック役職：代表取締役282025/8・9keizaidoyu

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横山直人玉井邦昌鈴木健所属：フライウィール役職：取締役社長所属：マネジメントソリューションズ役職：専務取締役CFO所属：スマートニュース役職：取締役会長森田敏夫安藤路也本多信隆所属：野村ホールディングス役職：顧問所属：東日本建設業保証役職：常務取締役所属：ディアイスクエア役職：取締役社長◆復帰本田桂子所属：リクルートホールディングス役職：社外取締役退会上西京一郎神原里佳片山圭子金澤善明所属：オリエンタルランド所属：オリエンタルランド所属：明治安田生命保険所属：明治安田生命保険役職：特別顧問役職：取締役役職：常務執行役役職：執行役員脇山保生志摩俊臣橋本英知内ヶ﨑茂所属：明治安田生命保険所属：かんぽ生命保険所属：ベネッセホールディングス所属：HRガバナンス・リーダーズ役職：執行役員役職：元・代表執行役副社長役職：専務執行役員役職：取締役社長CEO花坂隆之市川香代山田公彦井野貴章所属：JTB役職：元・取締役専務執行役員所属：MOLビジネスサポート役職：取締役社長所属：YKKAP所属：PwCJapan有限責任監査法人役職：パートナー牛尾志朗高橋直司山田政雄児島力所属：ウシオ電機所属：やる気スイッチグループ所属：DOWAホールディングス所属：東京電力ホールディングス役職：特別顧問ホールディングス役職：相談役役職：元・取締役執行役副社長役職：取締役社長松井透西浦天宣前田和也山田善久所属：三井物産所属：天宣会所属：ジャパンメディック所属：Oooh役職：副社長執行役員役職：理事長役職：取締役社長役職：取締役会長志濟聡子堀澄也杉本年光近浪弘武所属：アイシスコンサルティング所属：ヤクルト本社所属：わかば所属：日本コンベンションサービス役職：代表役職：相談役名誉会長役職：取締役特別顧問役職：取締役社長森啓太郎淡輪敏中神康議能見公一所属：ファーストアカウンティング所属：三井化学所属：みさき投資所属：ジェイ・ウィル・コーポレーション役職：取締役社長役職：取締役会長役職：代表取締役役職：アドバイザー2025/8・9keizaidoyu29

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退会福田健𠮷鰐渕美惠子川村篤長谷川雅也所属：新むつ小川原所属：銀座テーラーグループ所属：住友林業所属：自然電力役職：取締役社長役職：取締役会長役職：取締役専務執行役員役職：代表取締役土屋敏夫松村泰宏所属：日本生活協同組合連合会所属：東海プリントメディア役職：元・代表理事会長役職：取締役社長赤い羽根共同募金へのご協力のお願い（10月１日から）赤い羽根への寄付はSDGsへの推進につながります毎年、皆さまの寄付金によって、さまざまな地域福祉事業が支えられています。多様化する福祉課題への対応、激甚化する自然災害の被災者支援にも重点を置き、運動を推進してまいります。◆在庫品寄付で社会貢献と節税を型落ち品、荷崩れ品など在庫品の物品による寄付も受け付けています。寄付物品を社会福祉施設・団体へ配ることにより、寄付会社様の社会貢献のご意思を福祉施設へお伝えしています。領収書の金額は全額損金としてお取り扱いができますので、ぜひご相談ください。社会福祉法人東京都共同募金会TEL：03−5292−3182HP:https://www.tokyo-akaihane.or.jpNo.8818-9August,September2025経済同友CONTENTS特集１2025年度（第40回）経済同友会夏季セミナー「共助資本主義」で挑む経済社会「令和モデル」への転換03特集２共助資本主義の実現委員会能登半島地震支援イニシアティブ第２回のとマルチセクター・ダイアローグ19CLOSE-UP提言サービス産業活性化委員会【提言】菊地唯夫・水留浩一委員長接客サービス業を支える現場人材のスキルを可視化し、個人の能力開発と処遇改善を起点に好循環の実現を24Column私の一文字田中良和「何事にも『挑』む」02リレートーク浜直樹「ラグビーの恩師の教えと経営の原点」27私の思い出写真館足立洋子「金融の面白さ国連への夢」31新入会員紹介28赤い羽根共同募金へのご協力のお願い30302025/8・9keizaidoyu

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私の金融の面白さ国連への夢足立洋子SBI証券専務取締役大学生時代は、国連職員になって世界で抑圧されている方々の助けになりたいと思っていました。日本という恵まれた国に生まれた負い目もありました。当時国連職員になるには、修士プラス３年の職務経験か、博士課程修了が必要であり、まずは修士課程へ進学し、３年の職務経験のために就活を開始。時代は「土砂降り」と言われた1994年の春。ましてや文系大学院出の女子にはさらに厳しく、短大卒じゃないと…と相当数の企業からお断りされました。解禁日にやっと三つの内定を同時にもらい、そのうちの一つが金融、しかも外資でした。金融は、国際政治を勉強してうぶいた当時の初心な私にとって、ドロドロした金生臭い印象。一番遠い選択肢でしたが、さまざまな方と相談し、３年だし一番苦手な分野を一度は見ておくべしと決意しました。ところが…。入ってすぐに商品開発に配属され、デリバティブを学ぶと、今日聞いたお悩みに明日応えられるスピード感と喜ぶお客様の笑顔にはまって、毎日ワクワクしながら年が経ちました。プロジェクトファイナンスは、世界各国の社会課題の解決へのお手伝いでもあり、国際金融の賄賂への断固たる姿勢は多くの国の健全化の一助にもなったとも思います。ビジネスはドライなものとこれまた勘違いしていましたが、一つのディールを約定まで持っていくには個人と個人、ひいては会社と会社の信頼感がとても大事であることも実感し、金融に対する食わず嫌いの偏見に満ちた当時の私の不明を今も猛烈に恥じております。今後もアセットのtokenization、決済のblockchain化など、さまざまな変化が目まぐるしく起こる中、金融でどのように社会貢献、世界貢献ができるのか、皆さまと一緒に考えていければと思っております。趣味のゴルフ趣味の茶道。右は息子2025/8・9keizaidoyu31

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経済同友経済同友2025年８月・９月合併号No.881令和７年９月30日発行編集発行人／齋藤弘憲発行所／公益社団法人経済同友会東京都千代田区丸の内1-4-6日本工業倶楽部別館５FURL／https://www.doyukai.or.jp編集／経済同友会事務局制作／CCアーク

